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第1話

2年の春
92
2018/02/24 09:54
-私が恋をしたのは高校2年の春-



ユメノ「あなた〜。早く新しいクラス見に行こっ!」



あなた「ユメノ、ちょっと待ってよー。それより、よくこの坂を走れるよね。」



今日から新学期に突入。


いつもより荷物は少なめだけど、学校前の坂はいつ登ってもしんどい。


やっとの思いで坂を登り終えた私たちは学校の門を通った。


すると、正門近くの掲示板にはたくさんの人が詰めかけている。

あなた「もう、クラス発表されてるみたいだね。」


ユメノ「人がいっぱいで見れないよ。」


私とユメノは覚悟を決めて、人混みの中をグングンと入って行った。


少し見えるところまでやって来た私は、私の名前とユメノの名前を探した。


一組、二組、、三組、、、四組!

四組のところに私の名前があった。

必死になって、ユメノの名前を探す。


だけど、人がたくさんいてなかなかはっきりと見えない。


ユメノ「あなた!私、五組だったよ。」


あなた「嘘!?私、四組!」


とりあえず自分のクラスとユメノのクラスが分かったので、人混みを抜けることにした。


人混みを抜けると、ちょうどユメノも人混みから抜け出したところだった。


ユメノ「2年連続同じクラスにはならなかったね。」


あなた「そうだね。でも、まだ隣のクラスでよかったよ。」


ユメノ「確かにそうだね。…でも、あなたいないと不安だよ〜。あなたの事も心配だし。」


あなた「私は大丈夫だよ!」


ユメノ「あなたは優しすぎるから、その優しさにつけ込むやつだったいるかもしれないでしょ!何かあったら、すぐ私に言ってね。」


私は大きく頷いた。


ユメノとは小学生から一緒で、いつも助けてもらっていた。


虫が服に付いたときとか、男子にからかわれたとき、いつもユメノが私の前に立っていてくれている。


でも、もう私も高校2年だから出来るだけユメノには迷惑をかけないようにしないと。



ユメノ「じゃあ、新しいクラスに行きますか。」


あなた「レッツゴー!」

1年の時とは違う校舎に入り、新しい教室の前に立った私とユメノ。


あなた「じゃあ、また後でね。」


ユメノ「うん。何かあったらLINEでもいいからすぐに言ってね。」


ユメノは教室に入る直前まで私の心配をしてくれている。


私だって、そんなに子供じゃないのに。


ユメノが教室に入るのを見てから、私も自分の教室に入った。


教室には何人かすでにいて、みんな自分の席に座っている。


友達と喋っている人などもいる。


ユメノに心配をかけないよう、新しい友達を作らなければ。


黒板には名簿順の座席表が貼られていた。


自分の席を探すと窓際の前から三列目だった。


私の苗字は山本なので、名簿はいつも後ろの方。


まだ私の周りの席の子は来ていないようだ。


ピロン


そんなに騒がしくない教室に、LINEの通知音が響く。


鳴らした本人は私だ。


バイブ音にするのを忘れていた。


LINEを送って来たのは、案の定ユメノ。


ユメノ
新しいクラスどう?
私のクラスはみんな恥ずかしいのか、まだ静かだよ。
あなた

私のクラスも静かだよ。
まだ私の周りの人1人も来てないんだよ。

ユメノとLINEをしているうちに、だんだんと教室に人が増えてきた。


ハヤト「よお。また同じクラスだな。席も隣だし、よろしく。」


急に私に声をかけてきたのは、去年も同じクラスでそこそこ仲のよかったハヤト。


あなた「ええー。またハヤトと一緒のクラスで、席も隣とか出だしから不安だわ。」


ハヤト「本当はそんなこと思ってないくせに〜。素直になれよっ!」


ハヤトはどんなことでもポジティブに考える幸せなヤツだ。


でも、そんなところが楽しかったりもする。


キーンコーンカーンコーン



雪宮先生「はーい。みんな席につけー。」


チャイム共に教室に入ってきた担任の雪宮
ルイ先生。


私はこの先生に恋をすることになるのだった。

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