グクside
俺はすぐに、
((言ってはいけないことを言った))
ことを悟ったんだ。
ジンさんが険しい表情をして、俺にこう言った。
「俺がどうにかする」
「今日は帰ってくれると嬉しい」
って.........
謝りたい気持ちはもちろんあったから、
「ごめんなさい」
「もし良かったら、
ソアに “ ごめんね ” って伝えて貰えませんか?」
って言った。
でもジンさんは、
「言えそうだったらでもいい?」
って言ってきたんだ。
俺は悔しかった。
ソアを取られた気がした。
わかってる。
ジンさんは、俺よりソアのことを知っている。
それでも悔しかった。
まるで、
“ ソアは俺のものだ ”
とでも言われているような気がしたんだ。
俺が知らなきゃいけないことは、
まだまだたくさんあるみたいだ。
“ ソアのことをもっと知りたい”
“ 俺がソアのことを守るんだ ”
待っててね、ソア_______________
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!