あの子はいつもあのゲームの前にいる

盗み聞きをしたい訳では無いけど
気になって仕方ない

別れ話...なわけないか

もし、別れ話だったら俺は正直少し嬉しかっただろう

なんか、いつもと雰囲気が違う気がするのは気のせいだろうか

え

彼氏は本当に振った
あんな可愛くていつも彼氏のことを嬉しそうに待ってたあの子を

名前も知らない
年も知らない
がいつも見かけたあの子

あんなとこで泣かないよな
今行ったら俺はダメなのかな

無理だ
可哀想すぎる

彼女は半泣きで俺に支えられて立っている

もう涙は溢れていた

とりあえずうるさいゲーセンを出て、小さなケーキ屋さんに寄った

彼女はやっと落ち着いたようだ

やっぱり親切でいい子だった

俺はこのお店の人気のメニューのケーキを一つ頼んだ

名前を聞いてついいきなり呼び捨てで呼びそうになってしまった

頼んだケーキが俺のところに来た

彼女の方へケーキを渡す

彼女は食べ終わってからも結構笑顔でいろんな話をしてくれた

俺はこれで満足だった
付き合えなくても
どんな関係になろうと

正直連絡先まで交換できるとは思っていなかった

そういうところだ
元彼のことをスッキリしたとか、
忘れられたとかじゃなくて
悪いと思わないところ

振られた相手を許すってことは本当に
心が広くて…

口では平然を装っているが俺はどんどんあなたに溺れている

彼女の冗談なのはわかった

俺の口は本気でそう答えていた

彼女は驚いた顔だがすぐに笑顔になって耳を赤くしてしまった

…

俺は絶対に顔を赤くしていただろ

あなたは走って帰ってしまった

こんなところはあなたに見られたくない…

…後ろから足音が聞こえる

振り向くと少し髪が崩れたあなたがいた

あなたは息がきれていた

抑えれなかった

俺がハグをしたことにすごく驚いた声を出した

あなたは顔を赤く染めた

その後はご想像にお任せします😳