第10話

初デート
13
2018/08/21 14:20
やがてデート当日になった。
俺は待ち合わせ場所に待ち合わせの時間の10分前に着いた。待ち合わせ時間より少し遅れて
梨鼓翔がやってきた。俺は梨鼓翔の姿に見惚れていた。なぜならいつもパンツスタイルの梨鼓翔がスカートをはいていて、普段からメイクをしない梨鼓翔がしっかりと女の子メイクをしてきたからだ。
「波哉斗今日どこ行くの?」という梨鼓翔の声で俺は我に返った。
俺と梨鼓翔は歌を歌うことが好きなのでカラオケに行くことにした。「波哉斗ってカラオケになると人格変わるよね」と多くの人から言われるけど自分では人格がどう変わっているのかわからなかった。
俺は自分の本心をお菓子に乗せていつもより感情的に歌った。
梨鼓翔は俺の第一声を聴いてとても驚いていた。なぜなら俺の声がいつもより優しく、普段の会話からは予想ができないようなたくさんの人を魅了し癒すような声だったからだ。
「梨鼓翔…次お前の曲」「了解‼︎教えてくれてありがとね。全く気付かなかった少し考え事しててね!」考えごと?お前が⁇珍しいことがあるんだね?カラオケでストレス発散しようぜ!
交互に曲を歌っていくうちに俺はあることに気づいた。俺と梨鼓翔は性格が真逆でよく喧嘩になるが、本気の喧嘩はしたことがない。
なんと同じアイドルが好きだと言う事実も判明した。

楽しい時間はすぐに過ぎ去り、俺たちはゲームセンターへと足を伸ばした。俺は梨鼓翔の
無邪気な笑顔を久しぶりに見た気がした。
梨鼓翔がある景品が飾ってあるUFOキャッチャーの前に立ち止まった。
俺が「この景品とってあげようか?」というと
梨鼓翔は満面の笑みで「えっ!いいの?」と
答えた。俺は3回くらいでその景品を取り、
その景品を梨鼓翔に渡した。
梨鼓翔は「これまじでもらっていいの⁇やった〜‼︎超嬉しいんだけど…。」とはしゃいでいた。ゲームセンターでは音楽ゲームをしたり、プリマロを撮ったりした。夏祭りの時間まであと少し。
「この時間がもう少し続けばいいのに…。」俺は考えていた。

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