第8話

お姫様と執事の冒険
50
2020/06/13 12:28
リン
リン
退屈な部屋 飛び出して 
向かうのよ 朝の街へと
だって扉の外側は ドキドキであふれてるじゃない!
レン
レン
ドン!と扉の開く音 
なんかイヤな予感がする
慌てて部屋を見てみると
扉が蹴破られていた
リン
リン
気持ちいい風 髪をなでたら 街はもう少し 
レン
レン
『そうはさせない 何とか早く つかまえなければ・・・!』
リン
リン
「見えた!街の入り口」 
レン
レン
『お嬢様!いけません!』
リン
リン
街まで鬼ごっこ
レン
レン
『もう少しで追いつく!』 
リン
リン
「捕まるもんですか!」
レン
レン
縮む二人の距離
リン
リン
「もう少しで!」 
レン
レン
『もう少し!』 
リン
リン
「じゃあまたね♪」
レン
レン
『なんだコレ!』
リン
リン
「秘密のトラップよ!」
リン
リン
「ドキドキな冒険の」
レン
レン
『厄介な一日の』
2人
2人
ステージが始まります
レン
レン
日はすっかり高くなって 通りは人で溢れてる 
見なれたあの後ろ姿 見つかる気がまるでしない
リン
リン
流行りの柄のワンピとか おいしそうなクレープとか 
目移りして困っちゃうな たくさんお買い物したい!
レン
レン
探し疲れて ふと立ち寄った 噴水の広場
リン
リン
次のお店に行こうとしたら 見つけた横顔
レン
レン
『見つかる気がしないよ』
リン
リン
「ヤバい!離れなくっちゃ」 
レン
レン
視線が交差する
リン
リン
「どうしよう・・・」「バレちゃった」
レン
レン
『どこだろう・・・』『探さなきゃ』
リン
リン
視線がすれ違う
レン
レン
『早くしなきゃ』
リン
リン
「バレてない・・・?」 
レン
レン
『日が暮れる』
リン
リン
「離れなきゃ!」 
レン
レン
『人が多すぎるよ!』
レン
レン
『厄介な一日が』
リン
リン
「ドキドキな冒険が」 
2人
2人
もうすぐ夜を迎える
リン
リン
気になった細い路地 
レン
レン
よく聞いた声がする
リン
リン
「何よ!あなたたちは!!」
レン
レン
時間がない!急がなきゃ! 
リン
リン
早く来て・・・ 助けてよ・・・!
レン
レン
『その子から』『離れろ!』
リン
リン
「遅いじゃない!」 
レン
レン
『すみません』 
リン
リン
「怖かった・・・」
レン
レン
『大丈夫』 
リン
リン
思わず泣き崩れる
リン
リン
「たまにはやるじゃないの」 
レン
レン
『これが務めですから』
2人
2人
ね、一緒に家に帰ろう
リン
リン
「口ばかり うるさくて」
レン
レン
『夢見がち ワガママで』
2人
2人
イヤなことあるけど
レン
レン
『これからも仕えます』
リン
リン
「これからもそばにいて」
2人
2人
終わりが来る日まで
2人
2人
そんなことを考えて 
二人で帰りましょう
ほら 明かりが見える
2人
2人
ドキドキでハラハラな冒険の一日の 
扉が静かに閉じる

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