第42話

三十二話
652
2021/04/15 10:26






誰だ?












アズール
こんにちは。
いじめっこ
えーっと、誰ですかあなた
アズール
おやおや、もう忘れてしまわれているとは
いじめっこ
アズール
ところで、貴方はスポーツ選手だとか…
いじめっこ
ああ、そうだけど……?
アズール
そうですか
アズール
なら、ちょうどよかった
アズール
実は僕、体力のある人魚を探しておりまして…
アズール
ここらへんで新しいレストランを作るんですよ
アズール
そこのお手伝いをしていただきたく…
いじめっこ
手伝い?
いじめっこ
いやいやいや、俺、選手なんですよ?
いじめっこ
練習や特訓の時間がつぶれるなんて…
アズール
もちろん、タダで、とは言いません。
アズール
僕のお手伝いをしていただいたら、貴方の願い……そうですねぇ……
アズール
体力がつく、というのはどうです?
アズール
普通に練習するより、よほど効果のある薬を作れます。
アズール
どうですか?
いじめっこ
薬……って、それズルってことだよな?
アズール
おや?
アズール
どうせ…バレなければズルにはなりませんし、僕は言いません。
アズール
(ええ、僕は、言いませんとも)
いじめっこ
まあ、確かにバレなきゃいいな!
アズール
なんなら、契約をしましょう
いじめっこ
契約?
アズール
ええ。これでお互いに約束ごとを守れるでしょう?
アズール
さあ、ここにサインを!






知ったヤツじゃなかったが……












俺はスポーツで成功したかった












口約束、じゃなく契約なら信用できる











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         契約書

 アーシェングロット(以下甲という)と
オレン(以下乙という)は次のとおり契約した。


第一条
 乙は甲の言う物を3日までに取ってこなければならない。
 なお、出来なかったのなら、一生、甲の奴隷となり働く。
 また、薬はその時点で返さなければならない。

第二条
 甲は、乙の怪我や死亡の責任を一切問わない。

第三条
 甲は、3日間、また、第一条を乙が成功させたら、体力UPの薬を作り、渡す。
 また、その効力は、通常の人魚の二倍でならないといけない。




アズール・アーシェングロット


___________



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この契約書に書いてあることを







よく見もせず







俺は








俺の欲望のため












サインをした












オレン
_________









ふと、俺の上の方の名前を見る。












アズール…………


















何処かで聞いたことがある。












誰だったっけ……?




















アズール
サイン、ありがとうございます!
アズール
それでは、3日間以内に…
アズール
リーチ、覚えていますか?
いじめっこ
え、ああ
いじめっこ
(確か、同級生、だったっけ)
いじめっこ
(コイツは知らないが、あの兄弟なら知っている。)
いじめっこ
(何回か、話したこともあった。)
いじめっこ
はい
アズール
では、そのリーチ家の双子……
アズール
見つけて、つれてきてください。
いじめっこ
それで、俺は薬をもらえるんですね!
アズール
ええ、もちろん
いじめっこ
じゃあ行ってきます!
アズール
はい。







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