はっとして時計を見ると、もう定時30分前。
あのあと、
頭の中からテヒョンくんを追い出して仕事したら、すごい集中したんだな...
なんて
時間の経つ早さにびっくりしてたら、
「あなた~」
私のことを呼び捨てで呼ぶのは、この人しかいない。
『なんですか、部長』
「もー、そろそろソクジンにしてよー!」
『いや、さすがに...上司ですし、』
そうだけどさぁー
って唇を突き出してるこの人は、ソクジン部長。
3大イケメンの最後の1人は、このソクジン部長で。
確かにイケメンなんだけど…
テンション高すぎる人柄のせいで、なんかもったいない。笑
「で、何でしょう、?」
『あ、そうだった!
あのね、この書類、事務室から取ってきて?』
そう言って差し出されるメモ。
でも…今やってる仕事、あとちょっとなんだよな…
とりあえずそれ終わらせたいんだけど…
「まぁ、もし無理なら他のやつに頼んでもいいからさ?てことで、任せた!笑」
『あ、部長、』
スキップで休憩室に向かってっちゃった。
誰に頼もうかと周りを見渡すと...
ジョングクくんもかなり集中してるし。
しかも今日は外回りが多いみたいでデスクが空きだらけ。
どうしよ...
今できるの、テヒョンくんしかいなさそう。
いつもなら仕事頼むこともあるし。
それに、もう考えないことにしたんだし。
大丈夫、何も無い。
意を決してテヒョンくんのデスクに足を進めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!