はじめの一歩。
よく,両親と小さい頃からやっていた。
だるまさんが転んだとかによく使われるあれだ。
最近は外で遊ぶことも少なくなったから,出来ていなかった
せめて最後には一緒にやりたかった
そう言いながら俺は足を上げる。
地面を割るような勢いで,足を踏切ろうとする
そうして足をついた瞬間,
目の前が真っ白になる
頭がふわふわ…する
俺はそのたち眩むような目眩から逃れる為にしゃがみ込む
きっと立ち眩みとかだろう。精神面でも疲れてたのかな
そしてふわふわした頭は落ち着きを取り始め,自分の足が視界にハッキリと映った
俺は顔を上げる
目の前には,見慣れない景色
目の前に映るのは不思議な形の木々。
紫色の幹に曲がりくねった枝。
まるで,ゲームにでも出てきそうだ
幻覚以外に何が考えられると思う?
転生?
いや悲しいことにしっかり生きていた
瞬間移動?
そんな力は無い。それに,世界にこんな場所は無い
…異世界?
科学的によく分からん。何考えてんだよ俺
知らないとこをズカズカ歩き回るなんて危険すぎる
それに森とかなのだろうか?獣にあったら大変だ
ほらもう考えた側から…!誰だよフラグ建てたの
俺は逃げられるように体制を整える
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。