私の名前は田中藍梨。5歳。私には家族がいません。私はずっと家族から虐待され、暴力を振るわれ、近所の人に通報されて家族が捕まって、児童養護施設に入ったけどいじめられ、もちろん相談できる相手も友達もいません。私は、1週間前に事故で翔北に運ばれ、入院しています。
緋山)ねえ、この前運ばれてきたあの子、家族って…
白石)田中藍梨ちゃん?
緋山)うん。
白石)確かに、誰も面会来てないね。
藍沢)あの子、家族はいないらしい。
白石)そうなの?
藍沢)ああ。引き取ってくれそうな親戚もいないそうだ。
白石)そっか……そういえば…藍梨ちゃん、全身傷だらけだったような…まさか、虐待?
藍沢)ああ。そうだ。施設や幼稚園でもいじめにあっていたらしい。おそらく精神的ケアが必要になるだろうな。
緋山)そっか。そうだね。
白石)ちょっと藍梨ちゃんの病室行ってくる。
緋山)うん。
藍梨の病室
コンコン
白石)藍梨ちゃん、入るよ。
藍梨)う、うん。
白石)大丈夫?
藍梨)う、うん。だ、大丈夫。泣
白石)どうしたの?
藍梨)もう、施設には戻りたくない。泣
白石)そっか。
白石)ごめんね。お仕事あるから行くね。
藍梨)うん。
緋山)どうだった?藍梨ちゃん。
白石)もう施設には戻りたくないって…
緋山)そっか。
冴島)明日藍梨ちゃんに話聞いてみます。
白石)わかったわ。
次の日
白石)藍梨ちゃん、おはよう。
藍梨)白石先生、おはよう。
白石)体調どう?
藍梨)大丈夫。
冴島)藍梨ちゃんおはよう。
藍梨)おはよう。
冴島)施設にいた時の話聞きたいんだけどいいかな?
藍梨)うん。
藍沢)俺たちもいいか?
藍梨)うん。
藍沢)ありがとう。
藍梨)あのね……………………
白石)そっか。
藍沢)辛かったな。
冴島)何かあったらいつでも相談して?
藤川)そうだぞ。俺たちがいつでも藍梨ちゃんの話聞く。なんならずっと話聞いてやるぞ。笑
冴島)余計なこと言わない!
藤川)は、はい。
藍梨)みんなありがとう。
白石)こちらこそ、話してくれてありがとう。
藍梨)うん。じゃあ、私たち行くね。
藍梨)うん。
白石)フウ。どうするべきなんだろう。
冴島)藍梨ちゃんのことですよね?
白石)うん。
緋山)私もそのこと考えてた。
藤川)なあ、俺たちが藍梨ちゃんの家族になってやらないか?
冴島)藤川先生?ちょっと。
藤川)だってあんなに戻りたくないって言ってんだぞ?ほっとけないだろ?
藍沢)俺はかまわない。
白石)私も。
緋山)私も。
冴島)確かに、その方が安心ですよね。
数日後
藍沢)藍梨ちゃん、話がある。
藍梨)なーに?
藍沢)これからは俺たちが藍梨の家族だ。
藍梨)え?家族になってくれるの?
白石)うん。
藍沢)ああ。これからはなんでも俺たちに言え。俺たち家族がいる。
藍梨)みんな、ありがとう。藍梨、みんなみたいなお医者さんになりたい。
そして私は退院し、日勤の先生の家に交代で泊めてもらうことになった。先生たちが私が通っていた幼稚園や施設にいじめのことを言ってくれて、私は幼稚園でいじめられることがなくなった。
時は流れ。
藍梨)やばい。心停止だ。冴島さん、エピ入れて。藤川先生、こっちサポートお願いします。
冴島)はい。
藤川)わかった。
フェロー)田中先生、この患者さん、意識レベル悪いです。
藍梨)わかったわ。
わたしはフライトドクターになって今日もたくさんの命を救います。
家族に見守られながら。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!