とも視点
あぁ…やばいなぁ…。
この状況、早く何とかしなきゃ、みんなが危ない…。
アイクさんからはソフトボールサイズの水の玉が、watoさんからは剣の形をした氷が出てきた。
2人とも、すごいなぁ〜。
2人のおかげで暑さが和らいだ。
話し合いが進められる程度までみんな回復している。良かったぁ〜!
スタスタ…
そう言ってちゃみん達は歩き出した…。
進めるなら良い…。
どこか別の場所に消えるかどうかが分からなくて怖い…。
俺は一瞬、何が起きたかわからなかった…。
タタタッ…
キーンッ!
クミさん達は同時に監視カメラを叩き斬って真っ二つにした。
すると、中には不思議なものがみえた。
同時に異常な程の暑さが消えた。
そんな事を呟きながら日常組も合流した。バステンさんがこの仕掛けを説明しようとしていた。
結構難しそうだなぁ…。
俺たちは階段を登り始めた…。
もう罠的なものは無いと良いんだけどな…。
その後、階段を着実に登り、いかにもという雰囲気のドアとその横にちょっととした部屋を見つけることができた。
トラゾーさんの提案にのり
先に部屋の方へ進んだ…。
そこには、管理部屋があった。この地下一帯にあるカメラの映像が広がっていた。
誰かが椅子に座っている。
でも、こちらに気付いてなさそうだった…。
俺は静かにその人の元へ近づいた…。
そして、剣を首に突きつけた…。
・・・。
…あれ?
反応がない…。
寝てても気付くように大きい声で言ったんだけど!?
何か様子がおかしいことに気づいた俺は恐る恐る、その人の顔を覗き込んだ…。
俺は言葉が出なかった…。
この人はどういう気持ちで亡くなったんだろうか…。
誰にも看取られないまま、死んでいくのはどれだけ辛いんだろう…。
そんな事を考えていると、ソーラさんが1冊の本を見つけた…。
ソーラさんは日記を全て読み上げた…。
昔からこの世界に伝わる水晶を巡り、各地で戦争が起きた事、
その度に何万人という犠牲者が出た事、
水晶を巡って死者が出るなら、絶対に願いを叶えられないようにこの建物に入れないようにした事、
魔法を手に入れてトリックを作り、水晶を手にして来た奴らは進むこともできず引くこともできず、暑さで死んだ事、
色々なことが書いてあった…。
そして途中で文は途絶えていた…。
本当はダメなんだろうけど、管理室の横を穴開けて、階段を作って地上へ出た。
そして、ニックさんのお墓を作り、再び戻ってきた…。
ガチャ…
先ほどの入口とは違い、結界によって強く守られた、俗に言う「願いを叶える場所」が目の前に広がっていた。
ーーキリトリーー
次回、最終回です!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。