あなた side
「風雅〜?」
大西「... ...」
「ふーが?」
大西「.......」
「ふー?」
大西「.......」
「もうなんやねん...!」
風雅は思ってることを素直に言ってくれないのは分かってる。
でもさ、せっかくの久しぶりの家デートだよ?
ちょっとぐらいさ、話聞いてくれたっていいじゃん。
話聞くだけでもいいのに.......。
大西「...なぁ、あなた?×月△日、空いてる?」
口を開けば次の予定の話。
「空いてるで。.......どうしたん?」
大西「...ん、空けといて」
「なんやねん...」
×月△日.......それは私の誕生日。
何か.......怖いわ。
その日は何もなく家デートは終わった。
大西 side
あなたが帰った後.......
「.......あなたごめん。誕生日、楽しみにしとき」
手には銀色の光るものがあった。
あなた side
誕生日 デート当日
「...風雅ごめん💦待った?」
大西「待ってへんよ。けど、行くで」
「え、ちょっどこに!?」
いろいろ連れ回されて、気づけば夜になってた。
大西「あのさ、最後に連れて行きたいとこあんねん」
「まだあんの?」
風雅といれるならそれでいいけどさ.......!
大西「お願い!.......あ、やべ!もうすぐや!行くで」
どこに連れていかれるんだろう...。
着いたそこは、その市で1番有名なイルミネーションだった。
大西「...あなた、ちょっと目、閉じて?」
「え...うん」
首に何か冷たいものが当たった。
大西「3、2、1...いいよ。目、開けて?」
「わぁ.......」
そこには、普段よりも1段と豪華なイルミネーションと.......
首にはネックレスが付けられていた。
「これって.......」
大西「あなた、誕生日おめでとう。普段、照れくさくて言えないけど、大好きやで」
不器用な彼からの、最高な誕生日プレゼントでした。
〜END〜
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!