第24話

倦怠期《平野》
709
2021/01/10 10:54
平野 side
















「.......ただいま」





いつも聞こえるはずの「おかえり」が今日は聞こえない.......
耳を澄ますと、泣き声が聞こえてきた.......









泣き声!?






あなた「ウウッ.......グスッ.......ヒック.......」





コンコンッ
「あなた?入るよ.......、」
あなた「ウウッ.......しょ、くん泣」
「...あなた?どうしたの?
ほら、おいで
落ち着いたら話せる?」






ギュッ...コクッ







しばらくしてからぽつりぽつりと話し始めた




























あなた side (過去)


平野「ただいま〜!」



いつもの様に帰ってくる紫耀くん
最初はその元気さに私も救われてたんだけど.......



「おかえり」



いつからかその元気なのが嫌になった


平野「あなたどうしちゃったの?
いつもと違うよ?」



私の話を聞こうとしてくれるその優しさも







「.......ううん。何でも」





.......嫌になった



平野「.......そっ、か
あなたも大変だな」






そう言いながらハグしようと手を伸ばしてきてくれた
だけど.......









パシン


私は手をはねのけてしまった



平野「.......え?」



「.......ごめん、紫耀くん
今はその優しさいらない
1人にさせて.......」


平野「で、でも.......」




「お願いだから!!
...もう嫌なの!!めんどくさいの、、!」





そう言い放ち、私は家を出た.......

























.......何時間経ったんだろう
外はもう完全に朝
太陽が眩しいぐらい照りつける快晴だ


.......紫耀くんに悪いことしたな...
紫耀くんもう仕事かな.......?






一晩寝てないから.......家帰って寝よう
そう思った私は眠気と戦いながら家へ帰った
















家に着く
やっぱり紫耀くんは仕事へ行っちゃった後だった





だけどそんなこと考えてられない.......
ベットに横になったらすぐ寝てしまった.......




















...次に目を覚ました時はもう空は夕焼けだった




「.......ん、ん〜、、、
寝すぎた.......」







辺りを見回しても紫耀くんはいない




紫耀くんがいないとこんなに寂しいんだ.......





孤独だな.......と思ってたら自然と涙が溢れた





誰もいない部屋にそっと呟く




「しょ、くん、、グスッ.......会いた、い」

















(現在)



平野「それで、泣いてたのね」
「コクッ.......ごめ、んね?
自分勝手で怒ってたのに帰ってきたら泣いてるって.......ごめん、、、」


平野「そんなに謝らないで?
誰って嫌になることぐらいあるし
.......まあめんどくさいって言われた時はちょっと辛かったけど...」



「.......ごめん、ね」


平野「ううん、俺はあなたが戻ってきてくれて安心した
辛いことあったら俺に言って?
話聞くから、俺から離れないで...」



私は抱き締める力を強めた
これが私なりの離れないという証



「.......明日仕事?」



平野「明日は午前中仕事だよ
終わったらすぐ帰ってくるから、待っててね」



「...そっか。
今日はほんとにごめんね
.......嫌いにならないでね」



平野「俺は絶対嫌いになんかならないから安心して
めんどくさい、って言われても俺はあなたのこと諦めたりなんかしないから」



「.......フフッありがとう」



平野「...やっとあなた笑った
これからも俺のそばにいてね」




「.......うんっ」









紫耀くんとなら苦難も乗り越えれそうです!























                ~END~

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