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第1話

プロローグ
1,943
2020/11/05 08:13
出会った頃から終わりが透けて見えるような恋。


「初めまして、楓って言います」


少しくすんだ銀色の髪に伏し目がちな二重の目。優しく笑うその横顔に惹かれた。


この恋に未来なんてない、この人は好きになっちゃダメな人だって頭ではわかっていた筈だったのに。


「……俺はホストだから、客以上には見れないよ」


寂しそうに笑って、あたしの手を君が握った。


「それでも、良いの」


背伸び。


君の唇に合わせた。

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