〈一ノ瀬 胡都菜〉
どーもどーも一ノ瀬です
今私はとてつもなく気分が悪いです
なんかイライラしてます
今誰かと対面でもしたら容赦なく当たる気がする
今なら誰でも泣かせる自信あるんだけど大丈夫そ?
良かったー今日オフで
今日オフじゃなかったら気狂ってたって
朝の時点てこれなら昼とか死んでる気がする
私トマト嫌いなんだよ
当たり前にベットから動けず
ずっと縮こまってる
するとコンコンコンと、ノックをされた
誰だよ朝から
なんだ辰か.....ちょっと邪魔だな
心配の声、ありがたいし嬉しい
彼が優しい人間なのは私が一番分かっている
それなのに...それなのにっ...
こう思ってしまうのは...私が弱いからだろう
辰の問いかけに答える気もなくて
しばらくして辰が入ってきた
我ながら素っ気ない返事だと思う
声のトーンもいつもより低い
辰が心配してくれて来てくれたというのに
今、何もかもが嫌になっている私
そんな辰でさえ、鬱陶しいと思ってしまう
そんな自分も嫌になる
しかも今回は今までになく酷い症状
だから、と、言い訳も混じるこの思考
ほんと、いや
こんな私の状況を察してか
何も話しかけずただ背中をさすってくれた
と、背中をさすりながら優しく聞いてくる
そんな辰の声に反応して、涙が出てくる
今、とてつもなく不安定だ
それだけは自覚している
だからどうにかしないといけない
辰も辰で今日は仕事だ
なのに私の事で時間も手間も迷惑もかける訳にはいかないのだ
ご飯を食べないと薬は飲めない
けど、気持ち悪くてご飯どころじゃない
けど、わがままも言えない
と、辰が出ていくととてつもない虚無感に襲われる
私...ここにいていいのかな
やっぱ女の子だからこういった面でかなり迷惑をかける
それに皆がどう思っているか
毎月毎月こんな事されたら...嫌なはずだよね
やっぱ...私...いらない.....よね
「いらない」
「邪魔」
「迷惑」
「存在価値なんてない」
どことなくそんな言葉が聞こえる
誰かが私に向かってそう言ってる
さらに布団の中に潜って耳も塞ぐ
しばらくして辰が帰ってきた
私の様子を見て、すぐに駆け寄る音が聞こえる
その音ですら私に不快感を与える
と、どんどん質問をする辰
心配なのは分かってる
分かってるんだよっ!
なのにっ!
「いるだけ迷惑」
「いても邪魔になる」
「必要ない」
あぁぁぁ!
うるさいうるさいうるさい!
自分が発した声で我に返る
今...私...辰に向かってなんて言った?
うるさいって言ったの?
わざわざ心配してくれて、こんな事までしてくれる辰に向かってそんな言葉を言ったの?
ごめんは私のセリフなのに
辰は何も悪くないのに
悪いのは全部私なのに
そう言いたいのに怖くて言葉が出ない
とだけ言って、部屋を出た
やらかした...完全に嫌われた
今の事が辛いのか自分が嫌なのな
なんの感情なのか分からない
それなのに布団の中でひたすら泣いて
空気がなくて苦しくて
そのまま息がしにくくて
眠気も襲ってきて
私はそのまま布団の中で意識を手放した