部屋のドアを開けた瞬間、衝撃を受けた
床1面に散らばる紙。
スケッチブック。
破れたキャンバス。
ぐしゃぐしゃに丸められた絵。
まるで嵐でも通ったみたいだった
部屋の奥には絵名が座っている
縄らしきものを近くに置いて眺めている
勿論返事はない
絵名の周りには、
破られた紙が山みたいに積まれている。
その中には人物画や風景画。
全部、上手い。
でも全部____
破かれていた。
やっと絵名が口を開く。
絵名は1枚の絵を持ち上げた。
少しだけ震える手。
小さく笑う。
( ビリッ。
また1枚、絵が破かれる。
空気が重い。
オレはしばらく黙っていた
そして1枚の床の絵を拾う。
そこに描かれているのは自分の顔。
笑っている、彰人。
オレは壁を見る。
前までそこにあった絵がない。
絵名は首を振る。
絵名は今にも消えそうな声で
小さく言うのだった。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。