前の話
一覧へ
次の話

第1話

お前めっちゃ腹立つ!!
103
2018/09/01 23:40
「いや、私頑張ったよ?!?!」
テストの結果。
また赤点を取ってしまった…しかも3個。
「陽ww進学できんのかよww」
「え、ウソ、出来へんかな…?」
そんなの嫌やぁー嫌やぁー嫌やぁー…(エコー)

「…もー、最悪や」
なんで私ばっか何にも出来へんねやろ。
はぁ…もう嫌やな…
「しかも寒いしなんなん…」
もう訳の分からないとこでキレてる。
疲れてるわ。
私の自転車は行きに壊れるし
テストは散々だし
寒いし(?)
私がぶつぶつと独り言を言っていると、左側から強風が。
「うわ!!」
「あ、陽やん。」
「陽やんちゃうわ。めっちゃ寒いねん風かけんといてや!」
「すまんw」
「なんで笑うねんw」
「お前もわろてるやんかww」
そんなムダ話もして。
コイツは私の幼なじみの遙。
名前は、漢字は違うけど、読みが同じ「はる」ってことで幼稚園の頃から仲良くなった。
それで…幼稚園から私がずっと片思いしてる人。
漫画とか小説でよくあるベタな流れだけど、私もこんなヤツが好きになるなんて思わんかった。
普段は意地悪だしうざいけど、たまに優しくなるところが好き。(笑)

「あれ、お前朝チャリやなかったっけ?」
「そうなんやけど、壊れちゃってん」
「あぁ、そうなん。
じゃあ俺の後ろ乗れよ」
ほら、また。優しいとこ。
「…じゃあ、お言葉に甘えて。」
本当はすぐに自転車の後ろに乗りたかったけど、わざとゆっくり乗った。
好きだってバレちゃいけない気がしたから。
「家まで送ったるわ。」
「ありがと」

プリ小説オーディオドラマ