ジリリリリリッ!
朝7時、僕は学校へ行く準備を着々と進めていった
返事が返ってこない。いつもの事である。
僕には母がいない。たび重なる父からの暴力と仕事のストレスで僕がまだ小さい時に自殺してしまったからである。
そして前まで母に向かっていた暴力が僕に向かって来ているのだ
バシャン!
地面に向かって崩れ落ちる
転んだ時に落ちた眼鏡を握りしめる
いつものことである。
どうして言い返さないかって?
それは、彼の言っていることが本当の事だからである。
僕は、物語やアニメを見るとそれに影響されやすくて、周りに流されやすい。だから周りからこうして弱虫と言われているわけだ。
僕の母は、あまり顔が整っていなかった。黒いポニーテールの髪そしてそばかすがついていた。そしてあまり取り柄もなかった。母さんの取り柄は優しくて手が温かかったぐらいだろうか。僕はそんな母が大好きだった。
そして僕はいつもの様に学校へと向かう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。