第36話

さんじゅうさん
972
2021/05/07 12:00
侑side









俺は、アイツ…もとい棹の存在を認めたくなかった




初めてアイツのバレーを見たときに、好きなんちゃう。ただやってるだけ。



そう思った












ほんなら辞めればいい


好きでもないヤツがスタメンなんかになって堪るか




その一心で、アイツが女だと知ったとき、「バレーなんか辞めてしまえ」と言いたかった






そしたら、女だとバレた上に、好きでもないバレーなら辞めてくれると思ったから

















…言えなかったんや



俺はそんなひよっ子に追い抜かれる程じゃない


力でねじ伏せる








俺は、バレーが好きでもないひよっ子"には"追い抜かれない




…好きじゃないヤツには


















今、試合をしとる


俺は勿論のこと、サムもや





…棹もやけど



棹が、俺のトスで打つ








その瞬間に棹への意識が変わった




思いっきり楽しんでいると、俺でも分かってしまった



元から好きだったのかも、だが








…俺でも何が言いたいのか分からん…けど、


要するに、サムの言う通りアイツは俺狙いなんかじゃなく、バレーが好きだったんや






俺達と同じように




彼方side









…なん、なん……?



俺でも分かった


侑のトスが変わった






前では……、なんというか、雑だったんだけど、繊細なトス



嫌々繊細にしているというか…気持ち悪い…トス


言い方悪いけど…




雑なのに打ちやすいところとか、もう気持ち悪い


なんであんなトスが上げられるのか意味分からんけど






普通に凄いと尊敬してた










その気持ち悪いトスが、善意100%に変わったような

俺を見る目が変わった…?




そして試合が終わり、やはり圧勝











同じくらいのレベルだったものの、俺と侑のコンビネーションが芽生え、圧勝となった














特にいつもと代わり映えなく家に変える




いや、代わり映えはあるな…帰る家が違う

宮兄弟と同じ帰り道








侑と治は会話は続くのだろうが、俺がいるから繋がらない








侑「…棹、後でお前の部屋行く」





「行ってもいいか」ではなく、「行く」と断言されてしまったので、少し戸惑いつつも了承した


会話が続かないから家へ帰る道が凄く長い






そんな風に感じた






その後は特になにもなく、ただ早く時間が過ぎてほしいという思いを胸に家へ帰った






……侑になんて言われるんだろうな


だけど、自然と嫌味を言われる気はしない




そんな気がする