名前…?
ええ…なにそれ…
神崎くん名前で呼ばれるの嫌いなのかな
それも女子限定で
そのまま私の部屋を出て1階に行ってしまった新太先輩
てかその前に私元々男子を下の名前で呼ばないし…
新太先輩は強制的に呼べって言われたから呼んでるだけで…
んーー、別に名前で可笑しいところはないのに…
何か嫌な思い出でもあるのかな
理由は考えても本人にしか分からない
考えるのをやめてまたリビングに戻るとお兄ちゃん達は自分たちの部屋に戻ってお母さんしか居なかった
もちろん神崎くんもいない
同じ家に居るのに話せないし顔も見れない
お兄ちゃんの部屋にいく口実がどこかにあればいいけど下心丸見えだ
諦めよ…
ソファーに横たわって携帯を弄る
時刻はまだ朝の8時前
りまもまだ起きてないだろうな…
適当な返事をして携帯を弄っていると段々と眠くなってきた
……寝てた
そう感じたのは自分の上に薄い布団が掛けられていたから
何時だ……
携帯を見ると時刻は11時、3時間位寝ていた
リビングには私しか居なくて静かだ
というか家全体が静かだ
お兄ちゃん達は…?
体を起こしてお兄ちゃんの部屋に行って扉を開けるが中には誰もいない
みんな外出したんだ…
これからどうしようかと考えていると私のお腹が鳴った、何か食べようとリビングに戻って冷蔵庫を開ける
中は飲み物とヨーグルトのみ
そうと決まれば自室に戻り私服に着替える
その途中でリマに何してる?とメッセージを送った
リマ起きてるかな、休日はお昼すぎまで寝てるからまだ寝ているかもしれない
準備が終わって私はしっかりと玄関の鍵を閉めて家を出た
まだ夏なだけあって外に出た瞬間蝉の声と日差しが耳と肌に直撃する
立ってるだけでも汗が出る
涼しさを求めて足早でコンビニに向かう
すると向こうから歩いてくる少し派手なお兄ちゃん達と同じ不良が二人歩いてくる
うわー、絡まれたくないな……
すれ違う時に私は少し下を向いた
…最悪だ、フラグを回収してしまった
もう1人の男が「まじ?」といいまさかの私の顔を見に戻ってきた
絶対喧嘩でしょ……
お兄ちゃんが不良だからこうやって私も絡まれるようになったのは中学生の頃から
その中で怖い人たちもたくさん居たけどお兄ちゃんを恨んだ事なんて無い
だって、この人達はお兄ちゃんに負けてその腹いせで私に来ているから。弱い人たち。
無視して通り過ぎようとした時、手首を掴まれた
起きたら誰も居ないんだもん!
どこに行ったか分からないのにどうやって教えるのよ!!
その時男の力が強まってさっきよりも手首に痛みがくる
あ、これやばいホントに折れるかも
どうする事もできなくて目を瞑った時男の手が離れたと同時に私の目に誰かの手が覆われ目隠しをされた
それと男が後ろに倒れたような音と声、そして
神崎くんの声____