類に送ってもらって家に帰ったものの…………
ショーの話しかしなかったし、明日になったらきっと治るし安静にしててと言われたから横になっている………が………………
どうしても気になって気になって眠れないのだ。
「やりたいと思ったことしかやらない」
お姫様抱っこをオレにやりたかったのか…?
なら、どうして?
やりたいと思った理由はなんだ?
一つ一つ理由を出してみるか…
・お姫様抱っこしかする方法がなかったから
多分それはないだろう。よく見かけるが、肩に背負うような状態で運ぶことも類には可能である。
ましてはあまり言いたくはないがオレは類より身長が低いからおんぶしたりして運ぶこともできる。
これは違うか……
・緊急時用のカートがなかったから
まずカートというのかはわからないが、学校には人を運べるタイヤ付きの🛒っぽいのがある。
でもこれも有り得ないと思われる。
記憶は曖昧だが、このカートが体育館になかった事は今までにない気がする。
あと残る理由は…
・オレとそういう関係になりたいから。
司「そんなわけない!!!!!!!!!!」
咲希「お粥持ってき…ってお兄ちゃん大丈夫?!」
司「はっ……咲希か。すまん驚かせてしまって」
咲希「私は大丈夫だけど…何かあったの?」
司「いや、特にないんだが…」
咲希「なかったらいいんだけど…お兄ちゃんにはずっと助けてもらったから、なんかあったら言ってね!」
司「おう……ありがとう。」
「……じゃあ咲希、一つだけ聞いてもいいか?」
咲希「何?」
司「そのる…じゃなくてとある人がその人の友達にお姫様抱っこをしたのだが、なんでだと思う…?」
咲希「お姫様抱っこ!?うーん…」
やっぱり急に聞かれたら戸惑うか…
でもオレではわからない事も咲希ならわかるかもしれない。
咲希「その人じゃないから本当かはわからないけどさ」
「やっぱり、好きだから…じゃないかな?」
司「………(呆然)」
バタッ
咲希「えっ…ちょっ、お兄ちゃん!?!?!?」
もう…ダメかもしれない
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。