妹に風邪を移したらいけない。
そう思って、秋と冬は特に予防してきた。
…それなのに……
「どうして風邪を引いてしまったんだぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
類「司くん、風邪っぴきなのにそんな大声を出すと悪化してしまうよ。」
司「だが!!何故!!しかもこんな4月に!!予防はしっかりしたはずなのに!!!!」
類「うーん…ていうか春にも普通に風邪は引くよ。」
司「そうなのか!?初耳なんだが…」
類「春は特に体調を崩しやすいからね。なんなら4月は急に暖かくなる季節の変わり目。風邪を引く人は多いんだよ。」
司「ほんと詳しいな…油断していた…」
類「とりあえず、今日はゆっくり休んでおいた方がいいよ。寧々やえむくんにも伝えておくよ。」
司「うむ…ありがとうな。類。」
類「いつもの恩返しとして受け取ってくれよ。」
保健の先生「あ!天馬君大丈夫!?熱は!?!?」
司「あ、大丈夫です。だいぶ落ち着きました…」
保健の先生「そういえば、神代君は?」
司「ああ、類なら担任の先生に伝えに…」
保健の先生「あらそうなの!頼れるわ〜」
「それにしてもビックリしちゃったわよ…まさか体育で倒れるなんてねぇ」
司「本当にご迷惑をお掛けしました…」
保健の先生「いいのよ。たまには休まないと倒れちゃうことだけしっかり覚えておいてくれれば。」
司「はい…」
「ところで、保健室には誰が運んできてくれたんですか?」
保健の先生「神代君よ!本当凄かったわ〜」
司「?」
「お姫様抱っこして運んできてくれたんだもの!ドラマみたいで素敵だったわよ♪」
司「…へ?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。