緊張と戦いながら、私は彼を呼び出した場所へと足を運んだ。
決闘の場は
“体育館裏”
気持ちを落ち着けているところに
ずっと聞いていた足音が聞こえた。
足音はどんどん近くなっていって
そして止まった。
ゆっくり後ろを振り返ると
彼が頬を赤くして立っていた。
今日は寒いから
ここは結構 風が通る。
場所を変えればよかったと少し後悔した。
少しの沈黙が流れる。
私は震える手を必死に抑えて言った。
✄------キリトリ------✄
帰り道。
女子の声
男子の声
カップルの声がする。
わたしも
もう少し早ければ
あの場に入れたのだろうか…
彼からの返事は簡単だった。
「ごめん。俺今そういう事考えられないから。」
結局振られた。
私は何も言い返すことが出来なかった。
そう言って半ば無理やりチョコを渡して走って逃げた。
決闘は私の敗北だった。
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まったくもー
なだめてるつもりなんだろうけど逆効果なんだから!
てかまだ学校帰りなんだから
あんま大声で話したくないんだよね
そう言ってあずみは電話を切った
まぁ仕方ないからゆっくり家に帰る……
といきたいところだが、私はまだ家帰りたくないんだよね…
後ろに人がいた!
ビックリしたぁ
や、まって!
うちの学校の男子の制服!
( ºωº )チーン…
私はこの時嫌な予感がした。
この嫌な予感が大的中するなんて…
このあとの私がどれほど苦労するか
今の私にはそこまで考えられなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!