第204話

203.なにわ男子
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2021/01/11 13:48
高橋side


















神坂「私一人に、その決断は出来なかった。」























そう言って振り返ったあなたの瞳は潤んでいて、


















やがて溢れ出して、あなたの頬を濡らした。





























神坂「…出来なかったんだよ、1人でデビューなんて。

決意は固まってたはずなのにさ、

変えちゃったんだよ、














































あんたらの真っ直ぐな瞳が!」


















『おれ、たちの、?』

















どういう事か、おれには分からなかった。













おれはあなたに会いに行って、直接思いを伝えた。














けど、みっちーと謙杜は電話やし、














大吾くんと流星くんがあなたと話したのかは知らん。



















実際顔を合わせて話したのは、おれだけなはず。

















それなのにどうして、《 瞳 》なん?



























神坂「まず恭平はさ、グスッ、ソロデビューするなら

すればいいとか言っとったけどさ!

そんなの強がってるだけで!グスッ、

なにわ男子に戻って来て、って

ほんとは、すごい思っとるやんか!

誰よりも思いが強いの、目見れば分かんねん!

ずっと隣でシンメやったんやから!

その目見て、『裏切れない』って!

そう思わされたの!

恭平は、誰よりも真っ直ぐでピュアだからさ!

そうゆーところ大好きだからさ!

すごい刺さったんだよ、私の心に!」










高橋「、っ…」













神坂「みっちーはさ!この公演始まる前に来てくれて。
涙流して「戻って来て」って言われてさ、
その瞳に揺らぎは無くて。
みっちーの目見てたら今までの色んなこと思い出して
その瞳を裏切りたくなくて!
謙杜もみっちーが来た30分後ぐらいに来て、
「ごめん、でもお願い」って。
自分が大きな勘違いをしてたことに気がついて。
この2人がトドメだったんだけどさ、」
















神坂「私の決断を大きく揺るがしたのは、

大吾と流星なんだよ!」












『え…?』













神坂「名古屋公演まで来て、

『俺らはあなたと一緒にデビューしたい』って。

それ聞いた時にさ、自分が今までなんのために頑張ってきたんやろ、って!

自分は何しとるんやろって!」













神坂「裏切りたくなかった。なにわ男子を。

こんなヤンキーで口も悪くて自己中で、

入所遅いくせにファンだけ獲得して、

態度もわるくてなのに体も弱くて、

正直に言う迷惑者でしかない私を、

1番に受け入れてくれたんは今のなにわ男子やった。

1人の仲間として認めてくれて、

辛い時には隣にいてくれて、

どんな時でも頼りになって。




そんな最高なヤツら滅多におらんのに、

自分はそいつら裏切ってデビューするん?って。










” また ” 自らの手で仲間を失うん?って!







だから本当は脱退してソロデビューする予定だったけど!出来なくて!








なにわ男子を失いたくなくて!










私が邪魔なのは分かっとる。


私がおるせいでデビューさせてもらえへんのは分かっとる。


でも、それでもやっぱり!


わたしはなにわ男子として、デビューするために今まで走ってきた。


なのに今更その夢断ち切って、


仲間までって失って、


自分だけ栄光掴みに行くん?って!





ソロデビューすること。

なにわ男子を失うことが怖くなった。




だからもう決められ無くて。





だからとりあえずソロでCDは出して、







あとは周りに任せようって思って。






なにわ男子はまだ2人おるし。








ほんとは7人全員に戻って来て欲しいって言われたら戻ろう思ってたんやけどさ、











5人の真っ直ぐで揺るぎのない思いに勝てへんかった。











その瞳が、決断を揺るがした。









それで、こういう形になった。」













『ごめん、そんな苦労も分かってやれんくて。』

















西畑「ごめんな、苦しませて。

ずっと一緒におるって言うたんは俺らなんに。

でも…ありがとう。」












西畑「なにわ男子に残ることを選択肢に入れてくれて。

ファンの子がどう思って、

どういう結果になるかは分からへんけど、

俺らはいつまでも、あなたが帰ってくるん待ってる。

だからとりあえず、ソロデビュー、おめでとう。」











『なにわ男子は、あなたの居場所やから。

あとの2人やって、きっとそう思うはず。

やって、ずっと一緒にステージ立ってきたやん?笑

おれらにとって、少なくともおれにとって、

あなたはかけがえのない存在やから。


























で、思ったんやけど…




















大吾くんと流星くんはなんで…?』















大西「俺らも、よくよく考えたら、

戻って来て欲しかったから。

あなたがおらんと関ジュらしくないし。」













西畑「あなたおらんとか、つまらんし。」





















神坂「ふっ、そっか…グスッ、ありがと。」

















道枝「…やばい、俺泣きそ、」

















『なんでやねん笑』






















長尾「じゃあとりあえずファンの人達を信じましょ!

あと、丈くんと大橋くんやね!」
















神坂「せやね!」



















やっと、元に戻った、






















そんな気がした。


























『あなた〜♪』












神坂「うわっ!?」










神坂「急に抱きつかんといて!」















道枝「恭平だけずるいわ笑」
















『えっ、ちょ、みっちーまで来ちゃダメやって!

あなたはおれのもんやから!』













道枝「はぁ!?意味わからん!」













神坂「ねぇあほ!重い!」














これからも、こんな瞬間が続きますように。

















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