恭平side
マネから受け取ったスマホを見て
表情を曇らせたあなたは
焦っているかのように廊下に飛び出して行った。
スタジオの休憩席に取り残されたおれたちは
そんなあなたが飛び出して行ったドアを
眺めることしか出来なかった。
藤原「あなた電話長ない?」
『長い、、、っすよね、』
長尾「なんかドラマとかの話しとるんちゃうん?」
道枝「にしても、やろ」
西畑「俺楽屋に忘れもんしたから取りいきたいんやけど無理かな」
『おれも忘れもんしたっす、』
西畑「じゃあ恭平そーっと行く?笑」
『行きます?笑』
西畑「行こーや笑
ついでにあなたの様子も確認せんと」
『そーっすね笑』
まあもちろん、忘れもんしたってのは嘘やけど。
単純にあなたが心配なだけ。
あんな深刻な表情、今までに見た事ないしな。
なんかようわからんけど、何となく、
嫌な感じがしてる。
大吾くんも多分同じやろ。
そんなことを考えながら、ドアを開けた。
ガチャ
神坂「_________嘘、やろ、?
_________死ん、だ、?」
高橋「…え、」
西畑「は、?」
神坂「っ、!?」
俺らに気づいたあなたは驚いた表情をして、
楽屋とは逆の方向に慌てて走っていった。
西畑「…なぁ、恭平、、、
今あなた、死んだって、言うた、よな?」
高橋「…言いました、よね、」
西畑「…大丈夫なん、かな、」
高橋「…」
死んだ人にもよるやろ、
かかってきた時点で深刻な顔しとった、ってことは
病院とかからの電話なんかな…
家族はばーちゃんとじーちゃんしかおらんって言うとったし、それ、かな、
でもばーちゃん家行ったなんて聞いたことないし、
入院しとったらあなたならお見舞いとか行くよな、
ってことは、、、
西畑「どーする、? 恭平、、、」
『今は行かん方がいい、と思います、』
西畑「せやんな、」
この時あなたを追い、引き止めていれば、
こんな事にはならなかったかもしれん_____________
ねくすと >>>>
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。