第289話

288. Accident
1,790
2022/05/19 13:00
神坂 side













うちの情報とやらは予想通り、

なにわ男子であるうちが元SUMMARY総長であることを

世間にバラすというものだった。





その上でメンバーの安全は保障しないだのなんだの、

とにかくうちにとって不都合であろうことが

羅列されていた。














そして、これを止めたければひとりで来い、と。



















『…うちのために死んだん、?』












霧崎「いやあなたのせいではねーだろ、」












姫川「そーだよ、あなたのせいじゃねえ、」



















『けどよ、うちのために、闘ったんだろ、アイツ、』








霧崎「…まあ、そーだな、」













『そんで足掻いて、この情報抜き取ったっつーわけだ』









姫川「そーだな、」











『こりゃあさぁ、仇取り行くしか、ねぇよなぁ?』










霧崎「おう、けどあなた、お前は待っとけよ」










『…はあ?』












霧崎「アイドルやれなくなったら、元も子もねーだろ、」













『いや、自分の人生と相棒の仇取り、

どっちが大事かって聞かれたらよ、

後者に決まってんだろ、』











霧崎「っ、お前はそーかもしれねーよ!

けど、よく考えてみろよ、

何のために柊斗は闘ったんだよ、」













『っ、!』













霧崎「”アイドルとしての神坂あなた”を

アイツなりに守るためだったんじゃねーのかよ、

それを、アイツが命を懸けてまで守ったものを!

お前自身がぶっ壊してどーする!」













『…じ、じゃあお前は、自分の1番のダチ殺られて、

そのまま黙って見とけっつーのかよ!


柊斗はうちの、唯一無二の相棒なんだよ、

兄弟みたいに、ずっと支え合って生きてきたんだよ!


そんな奴が殺られて、しかも自分のせいで死んで、

お前は黙って見てられんのかよ!

それに、メンバーの命も懸かってんだ、

うちが動かなくて誰が動くっつーんだよ』













むりだろ、何もせずに見てるなんて。









デビューが目前にあって、

今道を踏み外せば二度とチャンスがないことくらい、

嫌という程わかってる。




メンバーがたくさん苦しんできて

やっと掴んだ夢だってことも。









けど、うちがいなくても、それは叶うはずだから。













メンバーの夢を守るためにも、

今うちが闘うことが最善の選択だと、うちは信じている。














『自分の人生なんて、心底どーでもいい。

迷惑かかんならアイドルだって辞めてやる。

そこまでしてでも、うちは柊斗の仇、取り行くで。』
















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