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2020/11/26

第27話

第26章
そのことを初めて耳にしたのは後輩たちの噂話。太陽がここ最近学校に来ていない。
病気なのか、怪我なのかと予想したり、心配していたり…。学校中での噂になっていた。
「なぁ琥珀」
「なぁに月花。太陽のことは知らないわよ」
「本当に…知らないのか…?」
「えぇ…昨日も言ったでしょう?
もう忘れてしまったの?」
「……ごめんな……」
光のスマホでRINEをしても、電話をしても
なに一つ答えてくれない。
月花としての俺からのRINEなら無視する可能性は高いが、光でも反応しないのは少し異常だ。
「月花がそんなに太陽のことを気にするだなんて珍しいですね。好き……なのですか?」
「わからない……。多分友達のとして…心配なだけなんだと思うが」
恋……なのか?
いや違うだろう。光の時の俺はあいつの親友だから。ただただ心配なだけなのだから。
「心が苦しいと感じる?」
心は……。変な感じだ。
俺の心のなかで二つに割れていて、
その両方が言い合い、殺し合っているかのように、色んな感情が行き来する。
「分からない…何か変な感情になる。
たくさんの感情が混ざり合って……変だ」
「そう……。確かに月花だと難しいわね」
「どういうことだ…?」
琥珀は声を小さくして話し始める。
「多分…月花の心には女子の部分も残ってるんじゃないかしら。
男の子の心が全体を支配しているけれど、
女子の心も少しはあるんだよ…私が感じる限りでは。
多分今、その二つが討論して争ってるんじゃないかしら」
俺の心に……女子の心……?
「でも!だってそれは……。
俺は生まれてきてからずっと男なんだぞ?
ありえない話なはずじゃないのか…?」
「それは…私にも分からない…。
けれど何かが引き金で生まれてしまった…
それか、体が女性なのがいけないのか…
私は性同一性障害に対して全くと言っていいほど知識は無いの。だから…力にならない」
そんなの……信じたくない。
なんで俺はこんなに大変な思いをしてるんだ?ただ、男として生きていたいだけなのに。
俺は思わず頭を抱え、その場にしゃがみ込んでしまう。
「月花…。今は深く考えないほうがいい。
そのまま考えてたらきっと…あなたが壊れてしまうかもしれない。大丈夫だから、
今は太陽の心配だけをしましょう」
そうだな…。俺たちが最初に話していたのもその話だ。俺の心の性などしるか。
今はただ友達として親友として心配しよう。
「あぁ……琥珀ありがとう」
「お礼を言われることなんてしてないわ。
親友として当然なことをしたまでよ」
そう言って、誇らしげに笑う琥珀を見ると
心が落ち着く。
さっきまで混ざり合っていた感情が、
解いていき元の場所に戻っていく。
大丈夫…。俺は……大丈夫だ。
それはそうと、本当に太陽はどこに行ってしまったんだ…?
悠哉に…聞いたら何かわかるだろうか。




第27章へ続く