石橋said
俺はあなたが出て行った後追いかけなかった。
嫌われると思った。いや、嫌われたんだ。
やっと付き合ったと思ったのに……
やっと自分のものに出来たと思ったのに……
やっと普通に恋出来たと思ったのに……
その瞬間俺の怒りが急に込み上げてきて
何から何まで物に当たってしまった。
いつも綺麗にしているはずの家も
とっても散らかってしまった。
バンバンものを投げて殴って自分は
何をしてるんだろうと思いながらも
それでも止まらない。手は動き続ける……
怒りと悲しみが同時にこみあげてるから
泣きながらものを投げている。
黙っていた自分が最低だった。
信じられないほどの大声を出した。
ガチャ
そうだ。今日は拓実達が来るんだった。
そうして俺の手を強引に止めた。
\ピンポーン/
ガチャ
俺は全て話した。
最高の相方をもった。
俺は急いで兼近の所に行った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!