第12話

#12 ~僕が忘れていた記憶~
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2020/08/13 09:53
石橋said
あなたが見ていた夢。
あれは……
石橋 遼大
あなた、話がある
あなた

ん?

石橋 遼大
俺らはな、血が繋がってないんだよ…
あなた

は、はぁ?

あなた

あんたよくそんなこと……

あなた

だ、だって私は誘拐されたあなたの
妹じゃないの?

石橋 遼大
ごめん。黙ってて……
あなた

(泣く)
本当の家族かと思った。
貧民な生活からやっと解放された
と思ったのに……

あなた

新しい家族がわかったら、
あっちの親とか妹に
大ブーイングが来たの……

あなた

もう、家に帰れないのよ?

あなた

どうして黙ってたの?!

石橋 遼大
どうしても言いづらかった
あなた

帰る家もない……
あなたの家はお金があるから
私が本当の家族じゃない
ことがバレたら……泣

石橋 遼大
きっと追い出される……
親もやっと本当の子供に会えたから……
あなた

どうしてくれるの……

石橋 遼大
え、えっと、
あなた

帰る家もないんだよ?!
お金も今ある金額だけで
生きていけると思う?

石橋 遼大
……
あなた

遼大……
あなたはもう赤の他人だから。

あなた

もう、私の前に二度と現れないで

石橋 遼大
好きだ。
あなた

私も……

あなた

前のあなたが好きだった。
今のあなたは大嫌い。

石橋 遼大
あなた……
あなた

さよなら

そうだ。あの日から俺はずっと鬱だった。
だから、飲めもしないお酒を大量に買って
「死んでやろう。」という気持ちで
大量にアルコール摂取したんだ。
チューハイ・ビール・ワイン・テキーラ……
不味かったけど、なんかスイスイ入ってった。
好きな人にフラれて、嘘ついて最低な
人間だ。って思った。
その次の日に俺はきっとあなたのことを
忘れてしまっていたんだ。
俺が忘れてしまった記憶……。
これからどうすればいいんだ……

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