第2話

1話
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2021/03/02 14:27
舞原 美琴
うちのクラスは比較的、平和な方だと思うから安心してね
葉山 茜
はい
私立誠王せいおう高等学校。

私、葉山はやま あかねは高校2年生の秋からここに通うことになった。


建物は大きく内装も綺麗で、学習環境も充実している、県内でも有名な高校。

また、自由な校風も相まって毎年多くの学生が、入学を希望するという。


学校自体はとても良い所だということは充分理解してるけど、転校するとなると話は別。

理由はお父さんの仕事の都合。逆らえないけど、やっぱり納得がいかない。

前の学校の友だちと離れたくなかったのは勿論だけど、それよりも問題なのがここは3年間クラス替えがないこと。

どうせ1年生の時点で大体のグループは決まっているだろうし、そこに馴染める自信なんてない。

だからといって教室で孤立なんて言うのも絶対に嫌。

新しい環境での生活が不安すぎて、昨日から胃の痛みは治まらなかった。

でも、初日から遅刻ましてや欠席なんて出来るわけなくて、いつもより早く起きた今日の朝。

先日届いた真新しい制服を身に纏って登校し、真っ先に職員室に向かった。

隣を歩くのは私が入ることになった2年4組の担任、舞原先生。


舞原 美琴
緊張してる?
葉山 茜
少し、してます
舞原 美琴
大丈夫、すぐに馴染めるよ
先生も気を使って言ってくれているんだろうけど、そんなのなんの慰めにもならない。


友達が出来るかどうかは、高校生活の中で最も重要と言っても過言ではない。

今日からの数日間、言ってしまえば今日この日に、私の1年と少しの高校生活がかかっているのだ。
葉山 茜
(上手くやっていけますように)


胸に手を当てそう呟いた。




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