⇉ 今にも泣き出しそうな目の前の彼氏さん。
まさか泣くとは思ってなくてすかさず『ドッキリですよ!』って言ったけど、信じて貰えず「何誤魔化す気?」と今度は今にも怒りだしそう。
実はこのLINEの相手私たちの共通の友達坂田くんで何もやましい関係ではない。
ただ、日頃お世話になってるそらるさんのために何かペアルックが欲しいなと思ったから坂田くんに相談して付き合ってもらったのだ。
ほんの好奇心でそらるさんに浮気したかのように見せかけて普段あまり好意を示さない彼にも嫉妬してほしかっただけ。
案の定そらるさんは嫉妬してくれた。
口ではしてないなんて言ってるけどそれただ単に恥ずかしいだけでかっこ悪いところを見せたくないだけなんだろうなと思うと年上だけどこういう素直じゃないところが可愛いなと思う。
よしよし、とふわふわな髪の毛を撫でていると「子ども扱いすんな」と怒られてしまった。
そしたらなんだかそらるさんは素直になり始めて「俺ね、最近美味しいお店見つけたから食べるの大好きなあなたを連れて行ってあげようかと思ったのに。お前は別の誰かと楽しんでたんだな。俺が頑張って作業している間に・・・俺はずっとお前の喜ぶ顔見れるためになにかないかなって考えてるのにお前はそうやってね、ふ〜んそうですか。」
まさか彼が私の事をずっと考えてくれてたなんて思ってもみなかったし、そろそろお別れの時かなとも思っていたから驚いた。
ただ、純粋に嬉しかった。
『これ、坂田くんだよ、私はそらるさんしか好きじゃないよ。』と、私も気持ちを伝えるそしたら彼は「当たり前だろ」なんて顔真っ赤にして、どこまでも不器用で、どこまでも優しい彼の愛は今日も暖かかった。
後日、こんなことはもう二度とするなよ とお説教されました、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!