とうとう分かるのか。
この世界の事を、ゲームについての内容を。
ゴクリと息を呑む。
「この世界は、言わばゲームを行うことが出来るテーマパーク。
ゲーム参加者はこのテーマパークに集まってゲームを行う、だからこの世界に一般人とか言う平和ボケしているアホの子野郎共はいないの。」
見た目に反して口が悪い、これを毒舌って言うのだろうか?
「ルールはシンプル・イズ・ベスト!」
やはり改めてしっかり聞くと、恐怖が混み上がってくる。
人を殺すという行為をゲームなんて軽い言葉でまとめるなんて、企画者の頭は一体どうなっているの?
…なのにどうして日向さんは、こんなにも楽しそうなのだろう。
「大事なのはその殺した後、報酬が貰えるって所よ。」
「私たちはゲームに参加した瞬間、賞金首となるの、金額の大小は人に寄って違う。
強者ほど金額は高く、ゲームに参加したての甘ちゃんは低い。
特に強者の中でも強い人達は‘‘富豪’’と呼ばれる立場にいるわ、富豪には異名がありこの世界じゃ皆の憧れ、かつ脅かされる存在になる。」
嘘、今まで私はそんな凄い人達と一緒に過ごしていたの?
今の現状がどんどん浮き彫りになっていく。
分かれば分かるほど、何もかもが怖く見えてきた。
「富豪になれる人は運営によって毎年選別される、それを公表されるのが年に1回ある重大イベント。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。