第5話

第1章
45
2018/07/28 14:05
ジュースを飲み終わった後のんびりしていると気がつけば日はかけていた。


もうこんな時間か。


こんなに有意義な時間を過ごせたのはいつぶりだろうか、時間がとても短く感じた。
美夢  ミウ
美夢 ミウ
そろそろお店出ないとね〜
私が外の景色を見ているのに気がついた幾羽さんは同じように外を見るとそう言った。


これからどうしよう…


まだ分からないことだらけなのに…


もう頼れるのは幾羽さんしかいない。


そう思い相談しようとしたら
美夢  ミウ
美夢 ミウ
沙月ちゃんはさ、この後予定とかないよね?
いきなりだったからびっくりした。


私はゆっくりと頷いた。
美夢  ミウ
美夢 ミウ
じゃあさ、私の家に泊まりに来ない?
今の私に1番必要なこと、それが安全な場所の確保。


有り難すぎる話だが本当に良いのだろうか。
美夢  ミウ
美夢 ミウ
気にしなくていいんだよ?遠慮しなくていいから!
幾羽さんは笑顔でウインクする。


なんていい人なんだろう。


最初に出会えたのが幾羽さんで本当に良かった。


私はしみじみとそう思った。
沙月  サツキ
沙月 サツキ
…では遠慮なく、よろしくお願いします。
私は深々とお辞儀をした。
美夢  ミウ
美夢 ミウ
いいってことよ!そんな固くならないで?
幾羽さんはそう笑い飛ばすと席を立って入口を親指で指さした。
美夢  ミウ
美夢 ミウ
じゃあ早速お店出て行こっか!
私は頷くと席を立ち、幾羽さんが会計してる間、先に店を出た。


改めて周りを見渡している。


ただ見ているだけでは普通の街並みと変わらないけど、ゲームとは一体なんなんだろう。


そう思いながらキョロキョロしていると、ふとある男性に目を奪われた。
志貴  シキ
志貴 シキ
…。
ただ歩いているだけなのに、なんだろう。


他の人たちにはない不思議なオーラを感じる。
志貴  シキ
志貴 シキ
…!
沙月  サツキ
沙月 サツキ
!!
私が見ていたのに気づくと男性は笑顔で私に手を振った。


動揺した私はとりあえず会釈した。


男性は微笑ましそうにその場を去っていった。


ああいう人もいるのか。


私は男性の姿が見えなくなるまでずっと背中を見続けた。

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