ジュースを飲み終わった後のんびりしていると気がつけば日はかけていた。
もうこんな時間か。
こんなに有意義な時間を過ごせたのはいつぶりだろうか、時間がとても短く感じた。
私が外の景色を見ているのに気がついた幾羽さんは同じように外を見るとそう言った。
これからどうしよう…
まだ分からないことだらけなのに…
もう頼れるのは幾羽さんしかいない。
そう思い相談しようとしたら
いきなりだったからびっくりした。
私はゆっくりと頷いた。
今の私に1番必要なこと、それが安全な場所の確保。
有り難すぎる話だが本当に良いのだろうか。
幾羽さんは笑顔でウインクする。
なんていい人なんだろう。
最初に出会えたのが幾羽さんで本当に良かった。
私はしみじみとそう思った。
私は深々とお辞儀をした。
幾羽さんはそう笑い飛ばすと席を立って入口を親指で指さした。
私は頷くと席を立ち、幾羽さんが会計してる間、先に店を出た。
改めて周りを見渡している。
ただ見ているだけでは普通の街並みと変わらないけど、ゲームとは一体なんなんだろう。
そう思いながらキョロキョロしていると、ふとある男性に目を奪われた。
ただ歩いているだけなのに、なんだろう。
他の人たちにはない不思議なオーラを感じる。
私が見ていたのに気づくと男性は笑顔で私に手を振った。
動揺した私はとりあえず会釈した。
男性は微笑ましそうにその場を去っていった。
ああいう人もいるのか。
私は男性の姿が見えなくなるまでずっと背中を見続けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!