きゅ、と服の裾をつかまれる感覚があった。
振り返ると、そこには犬みたいな彼が上目遣いでこっちを見ていた。
外に目をやると、これ以上ないくらいの快晴で
散り始めた桜がひらひらと舞っている。
私はパソコンをパタンと閉じて、
みんぎゅとベランダへ向かった。
2人でベランダの椅子に座る。
2人で他愛もない話をしながら、暖かな太陽の恩恵を受けた。
隣でみんぎゅがゆっくりと目を閉じた。
お互い連日仕事三昧で疲れも溜まっていた。
ひらりと桜の花びらが舞い、
みんぎゅの額に落ちた。
そっとみんぎゅの頬をなでる。
くすくす笑いがこぼれてしまう。
そのくらい、みんぎゅがかわいかったから。
すると、みんぎゅがむにゃむにゃしながら私の手を握った。
みんぎゅの手の温度が、声が、寝顔が、
すべてが愛おしくなって、私はみんぎゅに近づいた。
チュッ
先にキスをしたのは、みんぎゅだった。
みんぎゅはぱっちり目を覚まして、私をお姫様抱っこした。
.
おっきなみんぎゅに抱えられて、私は抵抗できなかった。
というか、しなかった。
─みんぎゅの足が、まっすぐ寝室に向かっているから。
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テスト勉強の合間に!
よろしくお願いします💖
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!