第22話

& 🐶 -女たらし-
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2020/08/18 21:51





うちの学校の女子はほとんどみんな




キムミンギュに恋をする。







うちの学校の男子はほとんどみんな





キムミンギュに嫉妬する。





そんなキムミンギュの正体は、




─女たらし。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



らいむ
あ〜今日もみんぎゅくんかっこいいな〜…



クラスメイトで親友のらいむがボヤいた。



彼女も現在キムミンギュに絶賛恋愛中。





(なまえ)
あなた
どこがいいの?あんなやつ
らいむ
今日もあなたはみんぎゅくんに厳しいねぇ
らいむ
いつかファンクラブの子にぶっ飛ばされるんじゃ……
(なまえ)
あなた
縁起でもないこと言わないでよㅎ




私はキムミンギュが苦手だ。




誰にでも笑顔を振りまいて、誰にでも愛嬌して、


どんなにかわいい子にも、どんなに意地悪な子にも同じ対応。




そういう性格が鼻についた。




みんぎゅ
みんぎゅ
あ!
みんぎゅ
みんぎゅ
らいむちゃ〜ん!あなたっち〜!
らいむ
わ!みんぎゅくん!
(なまえ)
あなた
来たよぎゅっさん
みんぎゅ
みんぎゅ
その言い方なんだよㅎ
らいむ
相変わらず仲良いね〜
(なまえ)
あなた
良くない!



私たちは不幸にも幼なじみなのだ。




そのせいで'みんぎゅファンクラブ'の子たちに睨まれるし


こいつはこいつで気づかないで馴れ馴れしくしてくるし。




親しみを込めて'あなたっち' 、 'ぎゅっさん'と昔から呼び合っているのも


もう嫌になってくる。



みんぎゅ
みんぎゅ
あなたっちに用が会って来たの!
(なまえ)
あなた
え?なに?
みんぎゅ
みんぎゅ
ごめんねらいむちゃん、あなたっち借りるね〜
らいむ
はーい!
(なまえ)
あなた
ちょっ、引っ張らないでよ!




ぎゅっさんに連れられて来たのは体育館裏。




みんぎゅ
みんぎゅ
あのさ


ぎゅっさんが口を開く。



それでいつもと雰囲気が違うっていうのは一瞬で分かった。






みんぎゅ
みんぎゅ
どうしてあなたっちはそんなに冷たくなったの?
みんぎゅ
みんぎゅ
俺のこと嫌いなの?
みんぎゅ
みんぎゅ
小さい時はもっといっぱい話してくれたじゃん


'うん嫌いだよ'ってなぜか言えない。





私はこいつが大嫌いなはずなのに。


謎のためらいがある。




(なまえ)
あなた
嫌いじゃ……ない
みんぎゅ
みんぎゅ
好き?
(なまえ)
あなた
は…?
みんぎゅ
みんぎゅ
だって嫌いじゃないってことは好きってことじゃん



そうだ。忘れちゃいけない。



キムミンギュは女たらし。






でも私は、女だった。






(なまえ)
あなた
私が嫌いだったのは、昔のぎゅっさんと今が変わっちゃったから
(なまえ)
あなた
ほんとは、ほんとは………!



ずっと素直になれない性格が大嫌いだった。






私が本当に嫌いだったのは、変わってしまったぎゅっさんより


まだ成長できない自分だった。




(なまえ)
あなた
キムミンギュが……好き

.









みんぎゅ
みんぎゅ
俺も
(なまえ)
あなた
……え?



.
みんぎゅ
みんぎゅ
俺も、好き
みんぎゅ
みんぎゅ
俺がこんな風に変わったのは、
みんぎゅ
みんぎゅ
小さい時の真面目な俺じゃ全然振り向いてくれなかったじゃん
みんぎゅ
みんぎゅ
だから、高校でキャラ変したら好きになってくれるかなって……



顔を真っ赤にしてぎゅっさんは言った。




思わず、こいつに本音がこぼれる。




(なまえ)
あなた
私は、どんなキャラでも……
(なまえ)
あなた
'キムミンギュ' が好き



言った瞬間はっとなる。




顔を上げると思った通りぎゅっさんがニヤついていた。




みんぎゅ
みんぎゅ
ふーん?うれしいねㅎ
(なまえ)
あなた
ニヤつくな〜!






私もキムミンギュに恋をして、落とされた。








そんなキムミンギュの正体は、



─私の彼氏。















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