第33話

& 🐶 -イヤホン-
352
2020/09/18 07:19









あ、








イヤホン絡まってる。













朝の通学電車の中。パニックになる。











私はすぐに乗り物酔いしちゃうから




音楽で気を紛らわせてるというのに………。










ほどけばほどこうとするほど、イヤホンは見事に絡まってほどけない。








ワイヤレスイヤホン買えばよかった………。












すると、



みんぎゅ
みんぎゅ
あなたちゃん?
みんぎゅ
みんぎゅ
どうしたの?
(なまえ)
あなた
あ〜……イヤホン絡まっちゃって……





同じ学校の制服を着た人が話しかけて来た。







名前は確か………みんぎゅ、くん。












同じ電車を使ってるからなんとなくは知っている。



向こうもきっと名前くらいは知ってたんだろう。






みんぎゅ
みんぎゅ
あらら………
(なまえ)
あなた
乗り物酔いひどくて、音楽ないと結構きついㅎ
みんぎゅ
みんぎゅ
じゃあ………僕とイヤホンはんぶんこする?
(なまえ)
あなた
え?






二重にびっくりする。









1つはまだあまり仲良くない私にグイグイ話しかけてくること。





もう1つは彼がカレカノみたいな提案をしてきたこと。







みんぎゅ
みんぎゅ
ん!





一方みんぎゅくんはびっくりしている私をよそに、





笑顔でイヤホンを片方差し出してきた。






(なまえ)
あなた
ありがとう……
(なまえ)
あなた
いいの?
みんぎゅ
みんぎゅ
もちろん!





イヤホンを耳に差し込むと、音楽が聴こえてきた。







でも音楽なんかに集中できない。




私とみんぎゅくんの距離はめちゃめちゃ近い。







ドキドキする。













なんとか音楽に意識を向けると、するりと歌詞が耳に入ってきた。
















' 横 目 で 君 を 盗 み 見 よ う と し た ら '














なんとなくみんぎゅくんを見つめる。






















' し ま っ た 、 目 が 合 っ て 動 け な い よ '













みんぎゅくんと目が合った。









そのまま見つめ合う。










みんぎゅ
みんぎゅ
あなたちゃん………?///
(なまえ)
あなた
みんぎゅ、くん………///





心臓の高鳴りは止まらない。







やばい。












このもどかしさを表現できなくて、




私はみんぎゅくんの制服の袖をきゅっと引っ張った。







みんぎゅ
みんぎゅ
っ……!///
みんぎゅ
みんぎゅ
あなたちゃん……ずるいよ







みんぎゅくんは私のおでこに自分のおでこをくっつけた。







みんぎゅ
みんぎゅ
明日もまた、イヤホンはんぶんこしよ?
(なまえ)
あなた
うん……!








' 鏡 の 中 の 表 情 を 見 る と あ あ だ ら し な い な




ホ ン ト に 幸 せ そ う だ '











きっと今の私はだらしないくらい幸せそうな顔をしてると思う。









目の前の彼と同じように。



















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みなさん大好き '表情管理' の歌詞を使いました!




最近これとsweetest thingばっかり聴いてますㅎ




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