第20話

& 🐴 -失恋-
468
2020/08/13 23:49




──イ・ソクミンには彼女がいる。








それは暗黙の了解で、


その噂が広まった初めのうちは


相手は誰なのかと問い詰める人もいたが、




一貫して答えない彼の態度に誰も聞かなくなっていった。





どぎょむ
どぎょむ
あなた〜!ぼーっとしてどうしたの?
(なまえ)
あなた
んえ?おお〜そくみな……
どぎょむ
どぎょむ
次移動教室だよ?いっしょに行こ!
(なまえ)
あなた
はーい




私のことを'あなた'と呼ぶそくみな。



私たちは結構仲良し。






そくみなは私の好きな人。片想い。







そしてそくみなには彼女がいる。




勝手に恋して勝手に失恋した。






優しすぎるそくみなは、彼女がいても私と仲良くしてくれる。




その優しさがなんだか辛い。




どぎょむ
どぎょむ
でね〜その後ジョンハニヒョンが……って聞いてる?
(なまえ)
あなた
え?あ〜ごめん……なんだっけ?
どぎょむ
どぎょむ
え〜っと…なんだっけ?ㅎ
(なまえ)
あなた
ㅎㅎㅎ
どぎょむ
どぎょむ
忘れちゃったㅎ
どぎょむ
どぎょむ
でも今日のあなた、ほんとに変



そくみなのこと考えてたからね、なんて




言えるはずがない。




(なまえ)
あなた
だいじょ〜ぶ!
どぎょむ
どぎょむ
そう?ならいいんだけどね!



そう言って微笑むそくみな。


好き。







┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



放課後、委員会の仕事でうぉぬ先輩と教室に残った。





うぉぬ先輩は私のいい相談相手。





うぉぬ
うぉぬ
なんかあなた……好きな人いるんだね
(なまえ)
あなた
ええ!なんでですか!?
うぉぬ
うぉぬ
あなたの顔が恋してる顔
(なまえ)
あなた
先輩……



うぉぬ先輩は心配そうに顔を覗き込んできた。




うぉぬ
うぉぬ
好きな人、いるの?
(なまえ)
あなた
………




.
(なまえ)
あなた
います






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




その後うぉぬ先輩にたくさん話を聞いてもらって、



ちょっぴり心が軽くなった。








委員会活動が終わって職員室に鍵を返しに行こうとすると、





教室の前で大好きな人が






泣きながら私の名前を呼んでいた。






どぎょむ
どぎょむ
グスッ……あなた…?
どぎょむ
どぎょむ
あなただ………っ!




そくみなは私に抱きついてきた。





あったかいそくみなの香り。








同時に混乱と緊張がそくみなの香りと共に押し寄せてきて



頭はキャパオーバー。



(なまえ)
あなた
そくみな………?
どぎょむ
どぎょむ
僕……失恋したっ………グスッ
(なまえ)
あなた
え………
(なまえ)
あなた
彼女と別れたの…?
どぎょむ
どぎょむ
へ?



涙をたっぷり含んだまんまるな目で私を見つめるそくみな。




私、変なこと言った?








だって失恋ってそういうことしか考えられない。




どぎょむ
どぎょむ
僕…彼女いない
(なまえ)
あなた
うそ!
(なまえ)
あなた
みんなそくみなには彼女がいるって……
どぎょむ
どぎょむ
ああ、あれね〜嘘
(なまえ)
あなた
誰も彼女が誰か知らなくて……って嘘!?




もうこうなってくると何がなんだかわからない。





どぎょむ
どぎょむ
僕の好きな人に……好きな人がいるって
どぎょむ
どぎょむ
たぶん…おぬよんじゃないかなぁ
(なまえ)
あなた
うぉぬ先輩?




教室の前にいたそくみな。



その教室の中には私とうぉぬ先輩。






話してた話題は─私の好きな人について。




(なまえ)
あなた
それってさ……
どぎょむ
どぎょむ
僕ね




私の言葉を遮って、そくみなは言った。




どぎょむ
どぎょむ
あなたが好き
どぎょむ
どぎょむ
僕が彼女いるって言ったのは、嫉妬してほしくて
どぎょむ
どぎょむ
今考えてみたらバカみたいだけど……あなたに嫉妬してほしかったの



頬を赤らめて言うそくみな。






好きが溢れる。






(なまえ)
あなた
ほんとにバカ……!
どぎょむ
どぎょむ
え?
(なまえ)
あなた
私もそくみなのことっ……好き!




そう言うと、そくみなはきゅーっと笑顔になって。





どぎょむ
どぎょむ
ごめんね僕バカで……あなた〜好き!








ようやく私たちの恋は、動き出した。











┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
うぉぬ
うぉぬ
よかった…そくみなのこと教室前に呼び出しといて







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┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

うぉぬ先輩が仕組んでくれてたんですねㅎ


優男……✨

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