10月4日。0:00。
ひとことだけ、メッセージを送った。
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既読はつくのだろうか。
返信は来るかな。
もうブロックされてるかな……。
心配でたまらなかった。
今日は彼の誕生日だから、思い切ってメッセージを送ってみたけれど。
相手は元カレ。
私は彼のことがまだ大好きだった。
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わっ、返事きた。
心臓が跳ね出す。
うそ。スタンバイしてました。
別れてからメッセージのやりとりをするのはこれが初めて。
たぶん3ヶ月ぶりくらいのメッセージ。
3年前の今日、私は彼の誕生日っていうイベントに便乗して告白した。
まさかOKをもらえるとは夢にも思ってなかったけど。
'幸せだったなぁ' っていう過去形がなんだか悲しい。
ちょっと彼の言ってることが理解できない。
するとまた彼から新しいメッセージ。
それを見た瞬間、私は目を見はった。
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私は彼に電話をかけた。
予想もしなかった展開に心臓は走り出し、涙も止まらない。
電話の向こうでハニは笑った。
ずっと待ち続けた言葉。
付き合ってた時は毎日聞いていたけど、
今は宝物みたいに大切な言葉だ。
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私の彼氏枠にはまた、彼が入ってくれた。
そして彼の彼女枠に、私は再び入った。
彼の誕生日、また幸せに出会えた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!