今日は目がかゆいから薬局行かなきゃ行けないの目薬もらっても目薬しないのにさ、ままがうるさいからさ、眼科で処方箋もらって薬局行かなきゃさ、いけないんだすーぱーだるいね
『めぐすりください』
処方箋ばんってやって手ばんって痛くしてばんって薬剤師さんの目見るの
「お待ちください」
あれ、いつものおじさんじゃないね
かっこいいじゃんしろいねきえそう
『しろいですね』
「ですよね」
『薬剤師が黒マスクっていいんですか』
『薬剤師がヤクザに見えますね』
『なんちゃって』
あれ、無視された
せっかく思いついた渾身のダジャレなのに
このひと人生損してるよきっとつまんないの
寂しい人だね
「次の方どうぞ」
『次の人いないよ』
「座ってお待ちください」
『名前なんて言うの』
『あ、みんゆんぎか』
『私の名前はねあなたっていうの』
『覚えてね』
「朝昼夜の1日3回目薬さしてください」
『あれ』
「おだいじにー」
『あれ』
『これ帰らなきゃ行けないのね』
「はよ帰れ」
『だいすき』
真っ白で黒い消えそうなせんせい
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!