「マネージャーさん来ます?」
「いや、事務所からいきなり連絡あって…急遽そっち行かなダメらしくて」
どうやって帰ろ、傘無いしタクシー拾うにもびしょ濡れなるやん
今日に限って顔隠すもんが1つも無いしな
「…また電話や、え?なんで?」
画面に映るのは“平野紫耀”の文字
予想もしない相手からの電話に戸惑いながら出る
「もしもし?」
「もしもし?俺迎え行こうか?」
「…え、いや何で??」
「さっきマネージャーと電話してたでしょ」
「俺、車降りる前で全部聞こえてたし」
今日の別のメンバーって紫耀だったんや
でも、てことは仕事終わりやんか気引けるわ
「え、ええよタクシーでも拾うから」
「傘無いのに?持ってなかったってマネージャー言ってたよ」
「今日Aスタジオでしょ、俺の家から1時間もかかんないし下の駐車場で待ってるから」
嘘やろ、電話切れたしホンマに来るん?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。