目黒side
ある日、仕事帰りに翔太くんにあった。
帰ろうとする翔太くんを捕まえ、無理やり食事に誘った。
俺は直球で質問した。
俺は酒の勢いもあり、少し感情的に問い詰めた。
翔太くんは俺の顔をじっと見て言った。
翔太くんのその言葉に腹が立った。
翔太くんは酔っているのか肘を付きながら首をかしげて、ぽわっとした顔で言った。
その言葉に俺は思考が停止した。
翔太くんの顔を見ても、冗談を言っているようには見えなかった。
俺、翔太くんは〇〇の事が好きだと思ってた。
俺、翔太くんを傷つけたの?
そう言って翔太くんは寂しそうに笑った。
そういうと翔太くんは立ち上がり、俺の肩に手をおいて、俺の耳元で言った。
そう言って笑うと翔太くんはお金をおいて店を出ていった。
俺は何も言えずに、立ち去っていく翔太くんを見ていた。
数日後、〇〇から電話が来た。
「翔太兄知らない?」
「電話繋がらないの」
俺は慌てて電話をかけた。
携帯の契約は切られていた。
すぐに翔太くんの会社に電話をする。
すると翔太くんの後輩で、以前あったことのある彼から翔太くんが会社をやめたと聞かされた。
慌てて家に行くと引っ越しがすでに済まされ、もう居なかった。
俺のせい?
こんなことになるなんて
後悔が俺を締め付けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!