第45話

2/3の記憶 4
623
2023/08/22 06:59
目黒side




ある日、仕事帰りに翔太くんにあった。

帰ろうとする翔太くんを捕まえ、無理やり食事に誘った。

目黒蓮
翔太くんは告白しないの?

俺は直球で質問した。
渡辺翔太
だから、好きなやつなんていないから
目黒蓮
嘘! 
〇〇の事、本当は好きなんでしょ
渡辺翔太
違う
目黒蓮
誤魔化すなよ! 
俺は真面目に話してんの。
翔太くんが告白しないなら俺がする。
でも〇〇は翔太くんのことが好きなんだ。
翔太くんだって知ってんじゃん

俺は酒の勢いもあり、少し感情的に問い詰めた。

翔太くんは俺の顔をじっと見て言った。

渡辺翔太
だからお前の感違い
目黒蓮
なんで誤魔化すんだよ。
俺はちゃんと翔太くんと〇〇と向き合って、先に進みたいんだよ
渡辺翔太
なら 告白しろよ
目黒蓮
はあ?


翔太くんのその言葉に腹が立った。
目黒蓮
自分は〇〇に好かれてるくせに。
俺に遠慮すんな!
その方が気分悪いんだけど
渡辺翔太
お前さあ



翔太くんは酔っているのか肘を付きながら首をかしげて、ぽわっとした顔で言った。
渡辺翔太
俺、〇〇が好きって
いつ言ったよ
目黒蓮
でも いつも優しい顔して見てる。
そんなの見てれば好きってわかる
渡辺翔太
確かに大事だよ。
妹みたいに大切だし。
でも 恋じゃない
目黒蓮
えっ?
渡辺翔太
俺が好きなのは…
お前だよ



その言葉に俺は思考が停止した。


翔太くんの顔を見ても、冗談を言っているようには見えなかった。

渡辺翔太
お前、告白しろって言ったじゃん。
でもさ、どう? 
告白されても困るだろ。
あいつの気持ちには気づいてる。でも答えられない。
俺が好きなのはお前だから。
けどさ、お前はあいつの事が好きじゃん



俺、翔太くんは〇〇の事が好きだと思ってた。


俺、翔太くんを傷つけたの?




渡辺翔太
そんな顔すんな。
別にお前に付き合ってなんて言わないから(笑)。
気持ち悪かったら、そう言って良い。
だから心配すんなって言ったのに

そう言って翔太くんは寂しそうに笑った。
渡辺翔太
いつからか分かんない。
でも、お前の事を気になってる自分に気づいた。
ごめんな。好きになって


そういうと翔太くんは立ち上がり、俺の肩に手をおいて、俺の耳元で言った。
渡辺翔太
俺、お前の事、
ずっと好きだったよ



そう言って笑うと翔太くんはお金をおいて店を出ていった。

俺は何も言えずに、立ち去っていく翔太くんを見ていた。





数日後、〇〇から電話が来た。

「翔太兄知らない?」
目黒蓮
翔太くん、どうしたの?
「電話繋がらないの」
目黒蓮
えっ!



俺は慌てて電話をかけた。

携帯の契約は切られていた。



すぐに翔太くんの会社に電話をする。

すると翔太くんの後輩で、以前あったことのある彼から翔太くんが会社をやめたと聞かされた。




慌てて家に行くと引っ越しがすでに済まされ、もう居なかった。





俺のせい?

こんなことになるなんて




後悔が俺を締め付けた。



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