第39話

友の記憶 3
990
2023/05/15 09:00
阿部side



佐久間が最近、元気がないように思えた。

でも、佐久間は大丈夫だよって笑うんだ。


でも、時々寂しそうなんだ。

佐久間… どうしたの?

俺には言えないの?

俺には教えてくれないの?

今まで悩みを言えない俺に寄り添ってくれていた佐久間に、俺は寄り添えないの?



そんな時、めめに話しかけられた。

目黒蓮
あべちゃん。元気ない?
阿部亮平
ううん。大丈夫だよ。ありがとう
目黒蓮
疲れてる?
阿部亮平
めめの方が忙しいでしょ。俺なんて忙しいうちに入らないよ
目黒蓮
勉強頑張って眠れてないんじゃない?
阿部亮平
あ~

寝不足なのは事実だ。

目黒蓮
少し寝る? 
俺が肩貸そうか?
阿部亮平
ありがとう。でも大丈夫だよ
目黒蓮
無理しないで
阿部亮平
うん。今日はちゃんと眠るよ
目黒蓮
うん。そうして。
何かあったらすぐに言ってね

そう言ってめめは席をたった。


目不足か…

佐久間の事を気にしてたけど、こんな自分じゃいざというとき佐久間の役にも立てないな


今日はちゃんと睡眠取らないと




佐久間。

俺は味方だからね。


何かあったら言ってね

そう、心で呟いて、俺は楽屋を後にした。









佐久間side



阿部ちゃんへの想いを考えているうちに、少し調子がくるってきた。

上手く笑えない時がある。

ごまかせてると思っていたのに、照に言われた。

岩本照
佐久間、具合悪い? 
それとも悩み?
佐久間大介
あ~。まあ、ちょっと
岩本照
なんかあるなら聞くよ
佐久間大介
うん。ありがとう。
でも大丈夫
岩本照
そっか… あんま無理すんなよ
佐久間大介
なあ、照。俺、変?
岩本照
変って言うか、元気ないなって
佐久間大介
そっか。ごめん、すぐにいつもの俺に戻るから
岩本照
なあ、言いたくないなら別にいいけど…
佐久間大介
ほんと、大丈夫
岩本照
そっか…

そういうと照は皆の方へ行った。



すると目の前で蓮と話する阿部ちゃんが見えた。

かすかに聞こえた蓮の言葉。

阿部ちゃんの心配をしているようだった。



阿部ちゃん、なんかあったのかな?

蓮には話したのかな…

俺には言ってくれないのかな…

阿部ちゃんの隣りはもう俺じゃないの?



駄目だ。

今、照に元に戻るって言ったのに


泣きそうだ。




阿部ちゃんの傍を蓮が離れた。

少しして阿部ちゃんは楽屋を出て行った。



その後ろ姿が…

何でだろう。


もうあの隣に行けない気がした。




嫌だ。

嫌だよ。


阿部ちゃん。おいていかないで





次の瞬間、俺は慌てて後を追いかけた。




お願い。

誰かの隣りに行かないで

俺の隣りにいて



もう、友達じゃ駄目なんだ。

俺、阿部ちゃんの友達はもう嫌なんだ。

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