阿部side
佐久間が最近、元気がないように思えた。
でも、佐久間は大丈夫だよって笑うんだ。
でも、時々寂しそうなんだ。
佐久間… どうしたの?
俺には言えないの?
俺には教えてくれないの?
今まで悩みを言えない俺に寄り添ってくれていた佐久間に、俺は寄り添えないの?
そんな時、めめに話しかけられた。
寝不足なのは事実だ。
そう言ってめめは席をたった。
目不足か…
佐久間の事を気にしてたけど、こんな自分じゃいざというとき佐久間の役にも立てないな
今日はちゃんと睡眠取らないと
佐久間。
俺は味方だからね。
何かあったら言ってね
そう、心で呟いて、俺は楽屋を後にした。
佐久間side
阿部ちゃんへの想いを考えているうちに、少し調子がくるってきた。
上手く笑えない時がある。
ごまかせてると思っていたのに、照に言われた。
そういうと照は皆の方へ行った。
すると目の前で蓮と話する阿部ちゃんが見えた。
かすかに聞こえた蓮の言葉。
阿部ちゃんの心配をしているようだった。
阿部ちゃん、なんかあったのかな?
蓮には話したのかな…
俺には言ってくれないのかな…
阿部ちゃんの隣りはもう俺じゃないの?
駄目だ。
今、照に元に戻るって言ったのに
泣きそうだ。
阿部ちゃんの傍を蓮が離れた。
少しして阿部ちゃんは楽屋を出て行った。
その後ろ姿が…
何でだろう。
もうあの隣に行けない気がした。
嫌だ。
嫌だよ。
阿部ちゃん。おいていかないで
次の瞬間、俺は慌てて後を追いかけた。
お願い。
誰かの隣りに行かないで
俺の隣りにいて
もう、友達じゃ駄目なんだ。
俺、阿部ちゃんの友達はもう嫌なんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。