仕事をしていると彼女からメールが来た。
「週末、ご飯どう?」
すぐに返事を返す。
「そうだね。翔太兄もいけそう?」
しばらくして返信が来た。
「じゃあ、予約しておく」
そうして週末、久々に三人で食事に出かけることになった。
食事の日、俺が仕事で少し遅れると、すでに彼女は少し酔っていた
すると彼女は翔太くんの隣によると言った。
「今日こそは教えてもらうからね」
「翔太兄の好きな人」
俺も良い機会だと思い、便乗する。
だが、すぐに もしこの場で翔太くんが告白をしたらと不安がよぎった。
すると翔太くんはふわっと笑って言った。
「うそ! この前、ずっと好きな人がいるって言ってたでしょ」
俺は驚いて翔太くんの顔を見た。
「先月、二人で飲んだ時言ったもん」
俺、二人で飲んでたの知らない。
そんな思いが顔に出ていたのか、翔太くんが言った。
「絶対嘘! 翔太兄、今までも告白されたら好きな人がいるって言ってたでしょ」
「わあ、モテるからって」
俺は勇気を出して聞いてみる
俺のその言葉に彼は優しい笑顔を見せて、俺の耳元で言った。
ねえ、それ どういう意味?
本気にしていいいの?
俺、遠慮しなくていいの?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!