第11話

10、本当の気持ち
13
2019/11/04 08:11
果林
果林
ハルくん・・・す
ハル
ハル
どうしたんや、果林
洋一
洋一
🎵🎶🎵🎶🎵🎶🎶
女生徒1
女生徒1
あの!多田君!
洋一
洋一
えっ?
女生徒1
女生徒1
わたし、多田君のファンなんです
果林
果林
洋一・・・
果林は、俺が告白されるのを見てしもた。
というより、果林に見られてしもた
女生徒1
女生徒1
ファンだけど、好きなの。
つきあっている人が、いないなら、付き合ってください!
洋一
洋一
悪いけど・・・・
果林
果林
・・・・
果林は、俺が来るのをなぜか待っていて
洋一
洋一
あれ?果林?
果林
果林
告白されるなんて、洋一、案外モテるんだね
洋一
洋一
案外ってなんやねん。
いまは、そんな暇あらへんわ
ハル
ハル
なに?ふたりでケンカしとるんか?
洋一
洋一
あほ、何もしてへんわ
果林
果林
なによ・・・
ハル
ハル
果林、洋一がどうかしたんか?
果林
果林
告白されていたの。
彼がなんて答えたか気になるの・・・
ハル
ハル
ふーん、気になるんだ
果林
果林
な、なに?ハルくん
ハル
ハル
別に
でもさー、自分の心に聞いてみた方がええんやないかな?
果林
果林
えっ?わたしの心?
ハル
ハル
君が、俺の事を、好きやって言ってくれてたときのこと、思い出してみて
果林
果林
・・・・・?
ハル
ハル
まぁ、ええや!とりあえず、洋一とほんまにデートしてみるやわ。
ハルは、映画のチケットを、取り出した。
果林
果林
デート・・って、別に、わたしは・・・
ハル
ハル
洋一には、俺から話しておくからさ!なっ?
果林
果林
ハルくん?
俺は、このときの二人のやりとりを、知らないでいた。
むしろふたりは、急接近しとるもんだと思っていた。

あえて聞かんかった。

ふたりの関係を・・・.・
ハル
ハル
なぁ?洋一!
肩を組んできたハル。
洋一
洋一
なんや、ハル
ハル
ハル
映画でも、見に行かへん?
洋一
洋一
はぁ?お前とか?
いま、すっごい追い込みなのわかっとるやろ?
ハル
ハル
大学生活最後の夏休み、学園祭、
時間はあるで?
洋一
洋一
ふーん。で?なに見に行くんや?
ハル
ハル
それは、お前が果林と決めたらええやん。
洋一
洋一
ハル
ハル
ハル
あ、金のことは気にするなよ?
ほな。
チケットを、渡され・・・
洋一
洋一
なんで、あいつが行かへんのや
そして・・・
果林
果林
洋一、遅いなぁ~
洋一
洋一
ハル、俺は・・
俺は、果林のところへ行かんかった
ハル
ハル
なんや、洋一、いかへんかったんか!
なんでや!
洋一
洋一
なんで、お前が行かないんや
ハル
ハル
それは、こっちの台詞。ったく、なんのために・・・誰のために券とったと思ってるんや
洋一
洋一
あいつは、お前しかあかんのや
ハル
ハル
おまえなー、それ、誰が決めたんや。
果林が言うとったんか?
あいつは、ずっと待ってるで?
洋一
洋一
えっ?
ハル
ハル
この雨のなか、洋一来るのを信じて待っとる
洋一
洋一
・・・嘘や
ハル
ハル
あいつは、そういうやつやろ?
洋一
洋一
俺じゃあかんのや
ハル
ハル
そんなこと誰もいうてへんやろ?
ええから、迎えに行け!
洋一
洋一
・・・・
ハル
ハル
洋一、もっと自信もてや
洋一
洋一
・・・・
俺は、しぶしぶ、果林のもとへ向かった
ハル
ハル
ったく世話が焼けるやつらやわ
約束の場所に行くと、やはり、彼女が待っていた。
果林
果林
洋一、遅い!
洋一
洋一
すまん・・・
果林
果林
いいわよ。その代わり、アイス3段おごってね?
洋一
洋一
3段って・・・
お前なぁ
果林
果林
約束守れない男の子って最低
洋一
洋一
何が見たかったんや
果林
果林
これだよ。
きっと、ものすごく感動するよ?
その通りだった。
その日、果林と見た映画は、俺とハルの夢を叶えさせる映画やった。
(果林の心)

映画が、終わると彼は前を歩いていた。
わたしは、彼の後ろ姿を見ていた。
彼が、夢に向かっている。
それは、いいことだけど・・・

どんどん遠くなる・・・
そんな気がした

わたし、もしかして洋一のこと・・・
そう考えていたら、目の前にいつのまにか、洋一が来て・・
洋一
洋一
はい、3段アイス。
約束すっぽかそうとしたお詫びや
そう言って本当に、トリプルを、買ってきた彼。
果林
果林
や、やだ、それ、冗談だったのに・・
洋一
洋一
さっきは、食いたいゆうとったくせに
果林
果林
そ、それは・・・
顔が近くにある。
果林
果林
しょうがないから、許す
洋一
洋一
しょうがないから、俺が一口食ってやるよ
洋一が、アイスをかじろうとして・・・
果林
果林
だ、ダメよ!
洋一
洋一
なーんや、けちやなぁ~
太るぞ~?
果林
果林
いいの!別腹なんだから
洋一
洋一
ふーん?
彼は、口ずさもうとしていた。
洋一
洋一
🎵🎵🎵
果林
果林
あっ!
洋一
洋一
食い終わったら帰るよ?
果林
果林
う、うん・・・
ちょっと聞きたかった・・・
彼の歌声・・・・

次の日、
ハル
ハル
どうやった?デートは
果林
果林
うん、スッゴク良かったよ!
ハルくんもくれば良かったのに
ハル
ハル
ふーん?俺もねぇ・・
行ってもよかったん?
果林
果林
もちろん。
今度は、3人でいこうよ
ハル
ハル
そうやな
洋一
洋一
聞いてくれや。こいつ、アイスを1人で食うたんや
果林
果林
ちょっと、洋一
洋一
洋一
人がおごってあげたと言うのに、一口もくれやんかった
果林
果林
なにいってるの?お詫びでしょ?全部食べるの当たり前じゃない
ハル
ハル
ふーん
洋一
洋一
それで、こいつ、3㎏太・・・
果林
果林
洋一!
洋一
洋一
お邪魔しました~
果林
果林
もう!洋一ってば余計なことばっかり・・・
ハル
ハル
なんや、楽しそうやな。
君らってこんな感じやったっけ?
果林
果林
えっ?
ハル
ハル
果林、もしかしてさぁー、洋一が、好きなんやないの?
果林
果林
えっ?
え~っ?
真っ赤になる果林

それを、俺は、遠くで見ていた。
ハルと話して赤くなってる
健
いいの?洋一、あのふたりのところ行かなくて
洋一
洋一
ええんや
洋一
洋一
🎵🎶🎶🎵
果林
果林
・・・・・
ハル
ハル
君は、よっぽど好きなんやな。
果林
果林
えっ?
ハル
ハル
それは、きっと洋一に恋してるせいや。
洋一が好きやから嫉妬する・・・

洋一が、好きやから、楽しい・・・

たぶん、初めて会うたときから・・・・
果林
果林
・・・・!?
ハル
ハル
どう?自覚した?
果林は、ますます顔を赤くした。
洋一
洋一
🎶🎵🎶
誰かが、校門のところで待っていた
洋一
洋一
あれ?果林?どないしたんや。帰ったんやなかったんか?
果林
果林
え、え~っと
洋一
洋一
ん?どうした?
果林
果林
今度、ミスチルのライヴあるの。
一緒にいかない?
洋一
洋一
それなら、ハルと・・・
果林
果林
洋一と行きたいの
洋一
洋一
えっ?
果林
果林
行こうよ、ライヴ
洋一
洋一
16日ね・・・
ミスチルは俺も好きやからすごく行きたいけど・・・
洋一
洋一
悪いけど別の約束しとるから。
ハル、誘えば?
果林
果林
・・・どうして?
どうして最近、一緒にいてくれないの?
ハル
ハル
16日ー?
しかも、ミスチルのライヴ・・・
いきたいけど、俺も無理やわ
洋一
洋一
ほら、チケット・・・
じゃあ、秋人かケンに・・・・
ハル
ハル
なんで、お前が行かんねん!果林はお前をさそっとるんやろ?
洋一
洋一
俺も、用事あるから
ハル
ハル
洋一!
洋一
洋一
お疲れ様。
ハル
ハル
・・・・・
ハルは、果林に事情を、説明した。
果林
果林
そっか、洋一ってば、わたしとの約束より、合コンの方が大事なんだね
なーんだ、残念・・・
ミスチルなら行ってくれるって思ったのに・・・・

なぜだか、涙が流れてきた
ハル
ハル
果林?
大丈夫か?
果林
果林
あれ?なんでわたし、泣いてるんだろう・・・・

なぜだか止まらない涙・・
ハル
ハル
果林・・・
果林
果林
わたし、バカだよね
今頃気づくなんて・・・
ハル
ハル
遅くないと思うで?
まぁ、あいつも鈍感なやつやし。
ほんま、しょうもないやつやわ
果林
果林
ハルくん
わたしね、洋一と会ったの5歳くらいなの
ハル
ハル
えっ?ほんまに?
果林
果林
わたしが、公園のブランコから、落ちちゃって、怪我して、痛くて泣いていたときに、
5歳の洋一
5歳の洋一
な、泣かんといて?
ほ、ほら、この花見て、元気出してな?
5歳の果林
5歳の果林
うん、ありがとう
果林
果林
だからね、高2の夏に彼と会えたことが嬉しかったの
同じマンションで、会えて、嬉しかった
ハル
ハル
やっぱりな
果林
果林
えっ?
ハル
ハル
まぁ、俺も君らを見たのだ~いぶ前やったけどな
俺は、ふたりは、きっと恋人同士になるんやないかって思ってた
果林
果林
彼は全然わたしのこと覚えていなかったみたいだけど・・・
ハル
ハル
そうやろ?あいつ、結構物覚え悪いちゃうかなぁ
果林
果林
ふふっ
ハル
ハル
良かった。笑った
果林
果林
えっ?
ハル
ハル
君が、ほんまの気持ちに気づいてくれて良かったわ。
果林
果林
ハルくん・・・
ハル
ハル
その気持ち、大事にせなあかんで?
果林
果林
ありがとね、ハルくん
ハル
ハル
どういたしまして
そして
洋一
洋一
なんや、ハル。
呼び出して
ハル
ハル
最近、調子は、どうですか~?
洋一
洋一
そんなん、絶好調に、決まっとるやん!
ハル
ハル
で?合コンはどうやったんや
洋一
洋一
な、なんで、合コンの話しになるねん
ハル
ハル
誰かお目当ての子は、見つかったんかなぁ、思って
洋一
洋一
さぁな
ハル
ハル
そうや。果林が今からくるで、謝れば?
洋一
洋一
えっ?
ハル
ハル
この前のミスチルのライヴ、1人で行ったみたいやで?
洋一
洋一
1人って・・・
ハル
ハル
ミスチルのライヴのチケットどんだけ苦労してとったか、お前にはわかるか?
あいつのほんまの気持ちわかっとんのか?なんでお前を誘ったんかよく考えるんやな
洋一
洋一
・・・
ハル
ハル
ほな、よろしく
なにも言えずにいた
果林
果林
こんにちわ~!
洋一
洋一
(ほんまに来た)
果林
果林
あれ?他のみんなは?
洋一
洋一
果林・・あのさ、ミスチルのライヴ・・
いけなくてごめん・・と言おうとしたら、
果林
果林
ねっ!
洋一
洋一
はい
果林
果林
洋一の歌を聞かせてよ
洋一
洋一
えっ?俺の?
果林
果林
お願い!
洋一
洋一
いつも聞いてるやん
果林
果林
じっくり聞きたいの
洋一
洋一
仕方ないな
・・
🎶🎵🎶🎵🎵🎵🎵🎶🎵🎵
果林
果林
・・・・
洋一
洋一
・・・・
歌っている間に寝てしもた果林。
果林
果林
ご、ごめん。寝ちゃった
洋一
洋一
なんや、おまえ、寝てへんのか
果林
果林
うん、おそくまで課題やっていたから
俺は、毛布を果林にかけて
洋一
洋一
仮眠しろや
果林
果林
大丈夫だよ
洋一
洋一
・・この前は、ごめん。チケット無駄にしてしもた。ほんま、ごめん
果林
果林
もう、いいわよ
洋一
洋一
えっ?怒ってないんか
果林
果林
何年付き合ってると思ってるの?どうせ、断れなかったんでしょ?
洋一、優しいから・・・
洋一
洋一
果林・・・
果林
果林
歌聞いたから許す!
洋一
洋一
・・許してくれるんや
果林
果林
わたし、洋一の歌声好きだから・・・
果林と帰り帰り道だった。
果林
果林
おやすみ!洋一
洋一
洋一
おやすみ・・・
あいつの気持ちがわからん・・・
だけどそれからハルは、なぜか俺と果林を、会わせた
洋一
洋一
あれ?果林?
果林
果林
洋一?
ハル
ハル
ほんと、洋一は、奥手やな
果林
果林
ちょっとハルくん?聞いてないよ
ハル
ハル
悪いけど、俺は俺で今からデートやねん。二人で楽しんできてな
果林
果林
💦(ドキン)
洋一
洋一

しょうがないからいくで?
大人二枚
果林
果林
・・・・・
洋一
洋一
さっきからなに黙ってるんや
果林
果林
な、なんでもないよ!いこう
彼といるとドキドキしすぎてどうすればいいかわからない・・・
これって・・・
果林
果林
ねぇ、洋一・・・私ね・・
洋一
洋一
お前さー、あいつとデート行ってへんやろ
果林
果林
ハルくんは、彼女と今日は、デートだもん
洋一
洋一
それでもデートくらいしてくれるやろ。せっかく戻ってきたんやし?
果林
果林
洋一、わたしの話聞きなさいよ
洋一
洋一
今日のは、練習や。おまえがハルとデートするときの
果林
果林
練習・・・・?
洋一
洋一
えぇ練習になったやろ?
果林
果林
・・・・・・😢
洋一
洋一
果林?
果林
果林
練習ってなに?
洋一
洋一
だから・・・
果林
果林
今日は楽しかった
洋一
洋一
果林?
果林は背を向けたままでいる
果林
果林
また、あしたね
洋一
洋一
あいつ、なんでないてるんや
このとき俺は、あいつの気持ちをわかっていなかった。
あいつのほんまの気持ちを・・・

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