果林は、俺が告白されるのを見てしもた。
というより、果林に見られてしもた
果林は、俺が来るのをなぜか待っていて
ハルは、映画のチケットを、取り出した。
俺は、このときの二人のやりとりを、知らないでいた。
むしろふたりは、急接近しとるもんだと思っていた。
あえて聞かんかった。
ふたりの関係を・・・.・
肩を組んできたハル。
チケットを、渡され・・・
そして・・・
俺は、果林のところへ行かんかった
俺は、しぶしぶ、果林のもとへ向かった
約束の場所に行くと、やはり、彼女が待っていた。
その通りだった。
その日、果林と見た映画は、俺とハルの夢を叶えさせる映画やった。
(果林の心)
映画が、終わると彼は前を歩いていた。
わたしは、彼の後ろ姿を見ていた。
彼が、夢に向かっている。
それは、いいことだけど・・・
どんどん遠くなる・・・
そんな気がした
わたし、もしかして洋一のこと・・・
そう考えていたら、目の前にいつのまにか、洋一が来て・・
そう言って本当に、トリプルを、買ってきた彼。
顔が近くにある。
洋一が、アイスをかじろうとして・・・
彼は、口ずさもうとしていた。
ちょっと聞きたかった・・・
彼の歌声・・・・
次の日、
真っ赤になる果林
それを、俺は、遠くで見ていた。
ハルと話して赤くなってる
果林は、ますます顔を赤くした。
誰かが、校門のところで待っていた
ミスチルは俺も好きやからすごく行きたいけど・・・
どうして最近、一緒にいてくれないの?
ハルは、果林に事情を、説明した。
ミスチルなら行ってくれるって思ったのに・・・・
なぜだか、涙が流れてきた
なぜだか止まらない涙・・
俺は、ふたりは、きっと恋人同士になるんやないかって思ってた
そして
なにも言えずにいた
いけなくてごめん・・と言おうとしたら、
歌っている間に寝てしもた果林。
俺は、毛布を果林にかけて
果林と帰り帰り道だった。
あいつの気持ちがわからん・・・
だけどそれからハルは、なぜか俺と果林を、会わせた
彼といるとドキドキしすぎてどうすればいいかわからない・・・
これって・・・
果林は背を向けたままでいる
このとき俺は、あいつの気持ちをわかっていなかった。
あいつのほんまの気持ちを・・・
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。