第15話

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2020/03/06 06:21
ガラララ
戸が開く音がした
果林
果林
目が覚めたんだね、洋一・・・
洋一
洋一
果林・・・・
果林
果林
ビックリしちゃった。みんなの様子を見に来たら、いきなり倒れてるし・・・
ハル
ハル
俺ちょっと売店行ってくるわ
洋一
洋一
えー?ハル?
果林
果林
ちょっと!ハルくん!
ハル
ハル
仲直りしろよ?
洋一
洋一
仲直り・・・
果林
果林
・・・洋一は、どうして傘も挿さずに雨のなかいたのよ・・・・
洋一
洋一
・・・いや、あの・・・それは・・・・
果林
果林
もう、夏じゃないんだよ?
風邪引くに決まってるじゃない!
っていうか、夏じゃなくても誰でも風邪引くわよ!バカね
洋一
洋一
バカとはなんや!
果林
果林
ったく、世話が焼けるわ
まるで、昨日のことを忘れるかのように、いつもの果林に戻っていた・・・・
洋一
洋一
ケホケホ・・・・
果林
果林
ごめんね。長く話しすぎたね
洋一
洋一
・・・大丈夫・・・や・・・・ハァハァ・・・
果林
果林
お願い・・・休んで?
洋一
洋一
果林・・・ごめん・・・ごめんな・・・・・
俺は、泣きそうな果林の頬に手を添えて・・・・
洋一
洋一
・・・・ごめん・・・・
そう言った。
果林
果林
洋一、もうわかったから。もう寝なきゃ
洋一
洋一
・・・・はい・・・・
俺は、一輪の花を、果林に向けて・・・
果林
果林
えっ?
洋一
洋一
泣かせたお詫びや・・・・
果林
果林
洋一・・・・
(果林の章)

そんな洋一を見ていたら、余計に涙が出た・・・・・

果林
果林
やっぱり、変わってないね
そして、薬が効いたのか眠った洋一。

ねぇ?洋一、覚えてる?
私たちが、初めて・・・・
本当に初めて会った日のことを。
わたしも、洋一もとても小さくて、
そう、まだ、5歳のわたしと、洋一。

ケガして泣いている私に、小さな花を出して・・・
5歳の洋一
5歳の洋一
泣かないで?ほら、お花だよ。元気出してよ。花を見たら痛いの飛んでくよ!
そう、言ってくれたよね
私覚えてるのに、洋一は、忘れちゃったんだね。

(洋一の章)

俺は、さっきと同じ夢を見ていた。
とても小さいときの夢。
なぜか、さっき、果林に花をあげたように、女の子に花をあげてなぐさめたことあったっけ?
その女の子は、果林に似ている。

なんでやろう。
ず~っと、会いたかった女の子なんだろうか。

熱でボ~っとしていてその女の子の顔がよく見えやんかった。
ハル
ハル
・・・なんや、洋一寝てしもたんか・・・・
果林
果林
うん。薬が効いたみたいだよ。だけど、2.3日は、安静にしてくださいって。熱が続くかもしれないから
ハル
ハル
まぁ、自業自得やな。雨のなか傘も挿さずにおったわけやし。無理しとったし。
こじらすに決まっとるわ
でも、こいつにそんなこと聞くんやろうか?
きっとまた、無理するに決まってる
果林
果林
ハルくん、洋一のことよっぽど心配なんだね
ハル
ハル
えっ?
果林
果林
さっきのハルくんみて驚いちゃった
いままでにみたことないなぁって
ハル
ハル
そう?
果林
果林
何かあったの?
ハル
ハル
いや、別に。
それよりほんまにこいつが無理しやんように、俺、ついとるわ
果林
果林
ハルくんも無理しちゃダメだよ。
だって、ずっと寝てないんでしょ?
ハル
ハル
おれは、大丈夫や。
そうそう、果林。
洋一のこと、知ってたんやろ
果林
果林
そう・・・・ずっと知ってたよ
彼の旧姓のことも、親が再婚したことも。わたし、ずっとみてたから。
ハル
ハル
やっぱりな
果林
果林
えっ?やっぱりって?
ハル
ハル
君たちは、いつか結ばれる運命やって俺は、信じとったから。
まぁ、俺も君たちのことを、ずっとしっとったって訳や。
果林
果林
あはは。へんな偶然
ハル
ハル
そうやな。へんな偶然やな
果林
果林
ハルくん、やっと笑ったね
ハル
ハル
えっ?
果林
果林
やっともとのハルくんだ!
ハル
ハル
俺、そんなへんな顔しとった?
果林
果林
ハルくんは、洋一と似てるね・・・・
なぜだか、無理しちゃうところ・・・・
ハル
ハル
あはは!だって、俺たち同じ誕生日やもん
果林
果林
くすっ
そうなんだけど(笑)
ハル
ハル
果林
果林
それじゃあ、お先にね。また、様子を見に来るね
ハル
ハル
うん。また、明日な
小鳥のさえずりが、聞こえてきた。

えっ?朝?

少し朝日が差し込んで眩しく感じる・・・・

俺は、ベッドの上にいる?

誰かいる.・・・

果林??
ハル
ハル
おはようさん、洋一
洋一
洋一
ハル!!
俺は、ビックリして、ガバッと跳ね起きた
ハル
ハル
アホ!急に飛び起きるやつがおるか!
お前、病人なんやで?
洋一
洋一
・・・・・えーっと・・・昨日は、果林と話をしてた気がするんやけど・・・・
頭がくらくらしてまだ、整理がつかない
ハル
ハル
そんだけ元気なら心配あらへんな・・あと、
果林やなくてすまんな
洋一
洋一
えっ?!Σ( ̄□ ̄;)
ハル
ハル
彼女は、帰ったよ。なにかと忙しいみたいやしな
洋一
洋一
??
ハル
ハル
まぁ、なにがあったんかは聞かんくてもわかるけど、ちゃんと気持ちの整理はしたんか?
洋一
洋一
いや、えーっと・・・・その・・・・
ハル
ハル
まぁ、ええわ。そういうことは、お前が退院してからじっくり聞くから
洋一
洋一
退院・・・
俺、今日、帰れるよな?
ハル
ハル
あかん。風邪こじらせたんやから、まだ、辛いやろ?
洋一
洋一
でも、大丈夫。ほら、熱も下がったし・・・・これくらい・・・・・
ハル
ハル
いーや、今日朝日が1日・・・
いや、2、3日しっかり休め
洋一
洋一
えっ?でも、ライブ・・・・
ハル
ハル
お前が喉の調子が良くなるまでは、あの部屋にくるなよ?
わかったか?
洋一
洋一
えっ?
ハル
ハル
エエな?約束やで?
洋一
洋一
・・・・はい
ハル
ハル
よし。それでええ。へな、お大事にな
洋一
洋一
・・・・
そういうと、部屋から出ていったハル。
でも、俺は約束を守れなかった
洋一
洋一
🎶🎵🎶🎶🎶🎶🎶🎵🎶

・・・・ケホケホ・・・・
果林
果林
洋一?起きていたの?大丈夫?まだ、咳してるじゃない・・・・
洋一
洋一
まぁね・・・・休んでる暇なんてないんやけど・・・・
ハル
ハル
洋一!!
そこへ、血相を変えたハルが大きな声を出して病室に入ってきた。

すごく怒ってる?
洋一
洋一
ハル?
ハル
ハル
約束したよな?俺と
尋常じゃない彼の怒った顔・・・・
ハル
ハル
今すぐやめるんや!
洋一
洋一
ハル・・・・?
ハル
ハル
やめやんかったら、もう二度と・・・・
洋一
洋一
わ、わかったよ。ハル
もう、やめるから・・・・
ハル
ハル
・・・バカ野郎!
ハルは、踵を捨てて、病室から出てってしもた。
果林
果林
ハルくん?
果林はそのあとを追いかけていった。
でも、俺には二人を追いかけれやんかった。
果林
果林
どうしたの?ハルくん・・・・
大丈夫?
ハル
ハル
・・・・・😭
果林
果林
ハルくん?泣いてるの?
ハル
ハル
・・・・・
果林
果林
何かあったのね。
昨日から、様子がおかしいし・・・・
っていうか、洋一があんなことになったのは、半分私のせいだし・・・・
ハル
ハル
果林は・・・・
果林
果林
えっ?
ハル
ハル
大切な人がもし・・・・
その日、朝ちゃんと「おはよう」って元気に言ってた人が突然いなくなったらどうする?
果林
果林
・・・・・・
ハル
ハル
それが、家族や友人やったら・・・・
果林
果林
ごめんね、ハルくん・・・・ハルくんの気持ちに気がつかなくて・・・・・
洋一
洋一
・・・・・・・
俺はただ見てることしかできやんかった。
二人の会話を聞いてしまった訳やないけど・・・・。
やっぱり、果林は、あいつのことを・・・・

そう思ってしまうんや」・・・」

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