第19話

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2020/06/17 08:31
唱子
唱子
好きです・・・わたしも。
洋一
洋一
えっ?
唱子
唱子
洋一さんのことが好きです
突然の彼女の告白。
利音
利音
パパ、良かったね!
洋一
洋一
ほんまに?
唱子
唱子
嘘、言ってるように聞こえますか?
利音
利音
やったね!パパ!
洋一
洋一
・・・・
嬉しすぎて、それ以上なにも言えずにいた。
洋一
洋一
じゃあ、と、とりあえず友達から・・・・
唱子
唱子
えぇ、お願いいたします
それから、俺と唱子ちゃんは、付き合い始めたんや。
唱子ちゃんの異動の話は、少しだけ先延ばしにしてもらった。
そして、俺と唱子ちゃんがずっと気づかなかったことがあった。
利音
利音
パパ、これなぁに?
洋一
洋一
あっ、これ・・・
それは、1枚のデザイン画・・・
利音が見つけてきた。
利音
利音
ここ、何てかいてあるの?
サインが書いてあった。
「Shoko」
このサインを見て、俺は思い出した。
洋一
洋一
あのときの・・・
回想
女の子と、ぶつかってしまい、
唱子
唱子
ご、ごめんなさい
洋一
洋一
あっ!待って!
あのとき、渡しそびれたデザイン画は、唱子ちゃんのデザイン画だったんや。
唱子
唱子
前にもこうやって誰かに拾ってもらったな
そんなことを、呟き、俺も・・・
洋一
洋一
そういえば、俺も・・・
そんな会話をした。
今なら・・・
洋一
洋一
唱子ちゃんがわあの時の女の子やったんや
ハル
ハル
なぁんや。もう、運命的な出会いをしてたんやな
洋一
洋一
唱子ちゃん・・・
唱子
唱子
えっ?
洋一
洋一
これ・・・君の・・・
唱子
唱子
あっ!これ・・・・
それは、二人が気づかなかったたったひとつのきっかけ。
洋一
洋一
あの日が初めてやなかったんや、
君がばらまいてしまった1枚をずっと渡しそびれていて・・・
果林は、こう言ってくれたんや
果林
果林
また、会うかもしれないじゃない。だから、大切に持っていなさいよ
洋一
洋一
・・・まぁ、いつか会うって前に俺たちには、それぞれの生活があったわけやけどな
唱子
唱子
そうね・・・
でもわまさか、洋一さんが持っていたなんて・・・・ほんと偶然
洋一
洋一
・・・・
唱子
唱子
このデザイン画はね、デザイナーになりたての頃の私が、武人に初めて誉められたものなの。
洋一
洋一
へぇ~
唱子
唱子
武人さん、わたし無くしちゃった
武人
武人
いいじゃん。また、書けば。君にはこれからすごく期待してるから
洋一
洋一
そっか。よかった。
唱子
唱子
捨てずに持っていてくれてありがとう
そして、俺たちが、みつめあうと・・
利音
利音
ねー?キスするの?
洋一
洋一
こら!利音!
と、下を向き、
洋一
洋一
すまんな。しょうもないやつやろ?
と、唱子ちゃんの方に向くと・・・・
不意打ちキスを、された。
洋一
洋一
・・・・!
唱子
唱子
洋一さんってスキだらけですね
利音
利音
スキだらけだね!パパは!
唱子
唱子
ね~
洋一
洋一
こ、こら!利音!大人をからかうんやない
(唱子ちゃんまで・・・・)
洋一
洋一
こらまて!利音!
利音
利音
キャハハ
笑い合って、時には一緒に泣いて
そんな日々を、
「愛の言葉」に変えて過ごしたいと思った・・・

君と・・・

洋一
洋一
唱子ちゃんには、話しておかなな・・・
はい・・・
ある写真を、渡す。
唱子
唱子
この人が、果林さん。
その写真を見て唱子ちゃんは
唱子
唱子
(笑)洋一さんってば、わたし、全然にてないじゃないですか。
洋一
洋一
えっ?うそや・・・そんなことない・・・
唱子
唱子
あなたに似て、優しくてまっすぐな感じが、伝わる。
きれいな人だし・・・
洋一
洋一
そ、そうかな
唱子
唱子
なんか、うらやましい
洋一
洋一
じゃあ、武人さんは?どんな人やったん?
唱子
唱子
誠実で優しくて、自分の意見を持っている人だった
洋一
洋一
じゃあ、俺、正反対やな
流されやすいから・・・
唱子
唱子
でも、素敵な曲を作るボーカルだと思います
洋一
洋一
・・・・
唱子
唱子
あの日・・・
洋一さんと会った・・・再会したあの日は、武人の命日だったの。
毎年あの公園で歌うのがわたしの日課だったから・・・・
洋一
洋一
唱子ちゃん・・・・
唱子
唱子
武人が、好きな曲だったの・・・
洋一
洋一
・・・まさか・・・
唱子
唱子
6月25日・・・・
洋一
洋一
・・・うん・・・・
2年違いではあるけれど・・・
唱子
唱子
2年違いではあるけれど・・・
亡くなった日が、同じだなんて・・・
偶然すぎるよ・・
これって奇跡なの?
洋一
洋一
・・・かもしれやんな・・・
同じ思いをした人と巡り会うなんて・・・
そして二人は・・・
洋一
洋一
お互い、心の中にいる人を忘れやんくてええと思う。唱子ちゃん、俺はなきっとあの二人が俺たちを、巡り会わせてくれたんやないかって・・そう思うことにしたんや。
唱子ちゃんも、そう思わん?
唱子
唱子
・・・はい、そうかもしれませんね。
これからもよろしくお願いいたします
洋一
洋一
こちらこそ、よろしくな
俺は唱子ちゃんの手を握った。
利音
利音
パパ!もしかして、今のがプロポーズ?
唱子
唱子
えっ?
洋一
洋一
えっ?
利音
利音
お姉ちゃんに、プロポーズしたんじゃないの?
洋一
洋一
あっ・・・え~っと・・・
まったく、利音はどっから、覚えてくるんや
利音
利音
だって、ハルパパがゆってたもん。
二人は絶対結婚するからみとけって。けど、パパは、奥手だからなかなかプロポーズできやんから、見守ってやれって
洋一
洋一
(は、ハルのやつ)
利音
利音
ねっ!お姉ちゃん
唱子
唱子
くすっ
そうね、パパ奥手だよね
洋一
洋一
唱子
唱子
今のはプロポーズかどうかわからないわ。ちゃんと言ってほしいです
洋一
洋一
えっ、え~っと・・・
唱子
唱子
ドキドキ
洋一
洋一
ば、バツイチで、情けなくて流されやすい俺だけど・・・・、俺、唱子ちゃんの笑顔を、守っていきたいんや。笑顔を、守っていくためにずっと歌っていくから。
だから、ずっとそばで見ててほしい・・・・
唱子
唱子
・・・・・・
洋一
洋一
お願いいたします。俺と、結婚してください!
俺は、果林の時と同じく、一本の花を、唱子ちゃんに差し出した。
唱子
唱子
😭😭😭😭
唱子ちゃんの目からは涙が流れてる。
利音
利音
あ~!パパがお姉ちゃん泣かせた
洋一
洋一
あっ、あの・・・
唱子
唱子
・・・・はい・・・お願いします
洋一
洋一
やったぁ~
思わず、唱子ちゃんのことを、抱き締めた。



ずっと歌い続けていきたい・・・・・

そう、思っていたけど・・・・
唱子
唱子
えっ?解散?
洋一
洋一
・・・・うん、そうなんや
半年後、「SEASONS」は、解散することになったんだ

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