第18話

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2020/06/17 08:30
2年後・・・・
利音
利音
パパ~!ママ~!
果林
果林
あんまり遠くにいっちゃダメよ?
洋一
洋一
なぁなぁ、あいつって俺に似とるか?
果林
果林
そうね。洋一そっくりの無邪気な子よ
洋一
洋一
そ、それって、褒めとる?
果林
果林
あはは、もちろんよ
娘の幸せな日々がずっと続くように願っていた。
洋一
洋一
果林、もうすぐ誕生日やな。何がほしい?
指輪?ネックレス?
それとも・・・・
果林
果林
ねぇ、洋一・・・・そんなのより・・・
洋一
洋一
どうや?決まったか?
果林
果林
私のために曲を書いてよ
洋一
洋一
えっ?
果林
果林
私がその曲をピアノで弾くから・・・
歌詞もつけて、洋一も、歌って?
洋一
洋一
いや、でもそういうのはまだ、やったことないから時間かかるかも・・・・
果林
果林
時間がかかってもいい・・・何年かかってもいいの。
わたしは、洋一の曲を弾きたい。
それが私の夢・・・・
洋一には、歌っていてほしいから・・・・
それが、私にとっての最高の誕生日プレゼントだよ?
洋一
洋一
じゃあ、約束・・・・
約束・・・

そう言って俺たちは、誓いのキスをした
幸せな日々か続くと信じていたんや・・・・

確かにあのときまでは・・・・



ライブ会場・・・

俺は歌い終わって静かに礼をする。
復活ライブのラスト曲

この、10年を振り返りながら歌っていた。
洋一
洋一
みなさん。聞いてください。
俺は、いま、オレをグループに復活させてくれた彼女を、守っていきたいと思ってます。
どうか、温かく見守ってください
お願いします
俺はもう一度礼をした。
みんな
わぁ~!・
頑張れ
利音
利音
👏
唱子
唱子
利音君、パパカッコいいね
利音
利音
うん!僕の自慢のパパなんだ!
唱子
唱子
・・・・・
静香
静香
あなたは、本当に果林さんそっくりね
唱子
唱子
えっ?
静香
静香
あのときも彼、彼女に気持ちを伝えてて泣かせたから
唱子
唱子
・・・(彼女?)
静香
静香
・・・ふふ
そして・・・・、一旦ライブが終わり楽屋に来てみると
洋一
洋一
唱子ちゃん・・・
唱子
唱子
いいんですか?あんな宣言しちゃって。わたし、ファンの人に恨まれちゃう・・・
洋一
洋一
大丈夫。そのときはオレがちゃんと守る!
唱子ちゃんが、人混みの中にいても、俺は、見つけだすで?
唱子
唱子
・・・・
洋一
洋一
なぁんて、オレキザやったかな?
みんな
アンコール!アンコール!
唱子
唱子
アンコールしてますよ?頑張ってください
洋一
洋一
終わったら話があるんや
まっとてや?
絶対やで?
唱子
唱子
・・・・はい
利音
利音
お姉ちゃん!パパは?
唱子
唱子
アンコール始まるよ?一緒に見に行こう
利音
利音
あのね、僕、大きくなったらパパみたいな歌手になるんだ!
そしたら、お姉ちゃんも、みに来てくれる?
唱子
唱子
えぇ、もちろんよ(ふふっ、可愛い)
利音
利音
早く行こうよ
唱子
唱子
(君ならきっと実現できるよ。だって、洋一さんの子供だもの。)
武人・・・、わたし幸せになってもいいかな?

「愛の言葉」をたくさん聞かせてくれる彼のことが・・・

気になって仕方ないから・・・・

果林
果林
幸せになってね、洋一・・
俺は、果林のそういう声が、聞こえてきた気がした。
そして今、俺は大切な人へ思いを伝えるんや・・・・

ライブが終わり、唱子ちゃんの待つ場所へ急ぐ。
唱子
唱子
(笑)洋一さんってはそんなに急がなくても、わたし、逃げませんから安心してください。わたし、人間ですから
でも、会いたかったんや・・・・
ずっと会いたかった
利音
利音
パパ~、お疲れ様
洋一
洋一
おー!利音!
俺は、利音を、だっこした。
唱子
唱子
結婚していたんですね・・・
まさか、子供までいたなんて・・・・
洋一
洋一
いや、え~っと・・・話そうと思ってはいたんやけど・・・・
唱子
唱子
あはは。いいんです。もう怒ってないですから。あなたの歌を聞いたら、怒る理由なんてなくなりましたから。
こんな可愛いお子さんがいて、羨ましいです
洋一
洋一
唱子ちゃん・・・・あの・・・・
唱子
唱子
わたしもね、話せずにいたから・・・・
唱子ちゃんは、涙声で話始めようとしていた。
唱子
唱子
わたしにも・・・
洋一
洋一
知っとるで?
彼のこと・・・・
唱子
唱子
えっ?
洋一
洋一
・・・聞いたから・・・
唱子
唱子
なぁんだ。知ってたんだ・・・・
笑っちゃうでしょ?
洋一
洋一
・・・・・・
唱子
唱子
貴女のように、幸せな日々がほしかった・・・
わたしも、武人の子供がほしかった・・・・
唱子ちゃんは、泣きながら・・・
唱子
唱子
これが、運命なの?
洋一
洋一
唱子ちゃん・・・
利音
利音
お姉ちゃん・・・・?
洋一
洋一
もう、ええよ・・・
俺は、後ろから、唱子ちゃんを、抱き締めた
唱子
唱子
会いたかったです・・・
洋一さん・・・・
洋一
洋一
オレもや・・・、唱子ちゃん・・・
俺たちは、正面を向いて見つめあった。
そこで、利音は、なにかを察したのか・・・・
利音
利音
僕、ちょっとハルパパのところにいってくるね!お二人さん、ごゆっくり
洋一
洋一
えっ?利音?
唱子
唱子
あの子は、洋一さんに、そっくりですね
洋一
洋一
えっ?
唱子
唱子
素直でまっすぐなところはあなたにそっくりです
洋一
洋一
そ、そうなんかなぁ~
かりんと同じこと言うやなんて・・・
唱子
唱子
あの子、ついさっき、パパみたいになるんだって言ってましたよ?あの子はあなたをみて育ったのね・・・
こうなったら、期待裏切れないですね
洋一
洋一
・・・・・
唱子
唱子
あっ、そうだ。
この間、ライブが成功したら・・・・
のつづきを聞かせてくれませんか?
洋一
洋一
・・・・これからも、こうやって会ってくれるか?
唱子
唱子
・・・・
洋一
洋一
今の唱子ちゃんを、知りたい・・・もっと知りたいんや・・・・
唱子ちゃんのことを、好きやから・・・・
唱子
唱子
ごめんね、洋一さん。わたし、異動が決まったの・・・
洋一
洋一
異動・・・・もう、会えやんのか?
唱子
唱子
今までのようには会えないかも・・・・
洋一
洋一
いや、俺は会いに行く!会いたいんや・・・
利音を、連れて、毎日でも会いに行くで?
唱子
唱子
・・・・・・
利音
利音
お姉ちゃん!
洋一
洋一
利音・・・・
利音
利音
お姉ちゃんの王子さまはパパじゃないの?
洋一
洋一
えっ?王子様?
唱子
唱子
・・・・
利音
利音
唱子お姉ちゃんは、ママになってくれる人・・・なんでしょ?
洋一
洋一
こ、こら、利音勝手なことを・・・
唱子
唱子
・・・・・
泣き出した唱子ちゃん。
利音
利音
ねぇ、パパ・・・ちがうの?
お姉ちゃんは、パパの選んだ人なんでしょ?僕、すぐわかったよ
洋一
洋一
・・・そうや、パパの選んだ大切な人や・・・・
たった今告白したところやで?
まさか、利音がこんなこと言うなんて・・・・
オレのセリフ取られてしもた。
唱子ちゃんの返事を聞きたいのは、俺自身やのに・・・・

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