第5話

4枚目
178
2018/04/02 13:37
次の場所は……あれ、また遊園地?
星夜
おーい、あなた!悪い、待たせたな
あなた

えっと……星夜、くん

星夜
くん?
あなた

あ……星夜

星夜
おう
よし、「星夜」ね。呼び方。

その瞬間、前回の記憶――一番初めの扉で体験した日の記憶すべてを思い出した。
あなた

この前はごめんね。コーヒーカップ初めてで酔っちゃって……ジェットコースターいっぱい乗る約束したのに、結局一個しか

星夜
いーんだって!その分今日楽しもうぜ!
星夜がにっと明るく笑う。

それを見ていたら、次第に私も笑顔になった。
あなた

うん!

星夜
おし、んじゃ最初はあのでっかいのな!
あなた

うわぁ攻めるねぇ

星夜
でも楽しそうだろ?
あなた

……うん

星夜
そうと決まればハイ、レッツゴー!
手首を掴まれてぐいっと引っ張られる。

だけど全然痛くなくて、気遣いが伝わってきて嬉しくなった。



◇◆◇◆


星夜
なあ、次あれ入ってみねえ?
ジェットコースターを堪能し、余韻に浸る私に星夜が誘いをかけてきた。
あなた

どこ?

私は星夜の指差す方向をたどった。

そのアトラクションは――ホラー好きに大人気の、本格お化け屋敷だった。
あなた

いいよ。入ろー

星夜
サンキュ!
そーいやお前、お化け屋敷入ったことあるか?
あなた

んー……そういえばないかも

まぁ大丈夫でしょ。ゾンビ平気だし。

呑気にお化け屋敷の中へ足を踏み入れた私は、どうやら馬鹿だったらしい。


めちゃくちゃ怖かった。

あなた

きゃー!!!

星夜
はっ、あなたゾンビゲーム大好きだったよな!?何年もやり込んでるって言ってたじゃねえか!
あなた

ぞ、ゾンビとお化けは違うじゃん……!!私も今知ったけど!!っきゃあ!?

つい近くにあった星夜の腕に抱きついてしまう。

あっ、やば……!
あなた

ごめん!すぐ離れる――

離れようとした体を、逆にぐっと引き寄せられる。

いつの間にか、私の肩に星夜の手があった。
星夜
いーよ。このままで。……怖いんだろ
あなた

あ、ありがとう……

急に星夜が頼もしく見えて、ドキンと胸が高鳴る。

普通の友達みたいに思ってたけど、ちゃんと男らしいところもあるんだ……。


しばらく歩いて、お化け屋敷を出るのと同時、意識がぱたりと途絶えた。

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