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第9話

ないん
8月31日。快晴。






海水浴には、良い天気だ。
桜島 夏樹
[海だよ!海!]
夏樹は、幼い子供のように海辺を走り回って
はしゃいだ。
西風 柚希
はぁ...
夏休みの最後だというのに、人が沢山いた。

特にカップルが目立っている。


...僕らも、カップルに見えたりするのかな?
桜島 夏樹
[柚希ー!そんな日陰にいないで
こっちおいでよー!]
西風 柚希
[い·や·だ]
桜島 夏樹
[えー?何でー?]
西風 柚希
[人混み嫌い。日焼けする。]
桜島 夏樹
[柚希は女子かっ]
西風 柚希
[うるさい。]
すると夏樹は、少し面倒くさそうに僕の腕を
引っ張った。
西風 柚希
わっ、ちょ、
桜島 夏樹
[ねぇ!水着、可愛い?]
西風 柚希
え?可愛いって...
夏樹の水着は、あまり肌をさらさないやつだったが
フリルなどが付いていて、女の子らしかった。

可愛くないと言ったら嘘になる。


何故か、急に顔が熱くなった。


夏樹はそんな僕を見てニヤニヤしている。
西風 柚希
[か、可愛いんじゃない?]
顔が熱い。


滅多にこんなこと言わないからな...

こんな恥ずかしいとは思わなかった。
桜島 夏樹
[ツンデレ最高ー!]
夏樹はそう言いながらにんまり笑う。
西風 柚希
[飲み物買ってくる。]
僕はその場から逃げるように、飲み物を買いに
行った。


















数分後...





飲み物を買いに行き、夏樹の所へ帰ってきたは
いいんだけど...
男性
良いから。俺らと遊ぼうよ。
夏樹が絡まれてる。

夏樹は喋れないから、首を横に振るだけだ。


絡んでくる男はそれを知らない。
西風 柚希
あの、誰ですか?
邪魔。


それをオブラートに包んでやったんだ。

早く退け。まじで邪魔。
男性
何?弟くん?
あ、そういえば僕、低身長で童顔....って、そんな
ことはどうでも良い。
西風 柚希
違います。ただのクラスメイトです。
男性
へぇ。そうなんだ。
男はそう言うだけで、夏樹の腕を掴む手を
放そうとはしない。

...よく見れば、夏樹は震えている。
西風 柚希
手、放してもらって良いですか?
西風 柚希
嫌がってます。
男性
は?何も抵抗してないのに
嫌がってるわけねぇだろ。
西風 柚希
だから言ってるじゃないですか。
嫌がってます。
男性
喧嘩売ってんの?
売ってんのはどっちだよ。

はぁ...本当、面倒くさい。
西風 柚希
放せつってんだろ。
西風 柚希
面倒くさいから早く放せ。
男性
あぁ?
西風 柚希
日本語分からない?
男性
ふざけんなよ!てめぇ!
まじで面倒くさい。
西風 柚希
あと3秒以内に放さないと蹴る。
男性
はぁ?
西風 柚希
さーん
男性
クソガキが!
西風 柚希
にー
男性
舐めるんじゃねぇぞ!
西風 柚希
いーち
男性
おい!聞いてんのか!
西風 柚希
ぜーろ
西風 柚希
タイムオーバー。
男性
は?何言って...
僕は、男の脛をかかとで思いっきり蹴る。
男性
ぎゃぁぁぁぁ!
そして、僕は無言で夏樹を男から引き剥がし
腕を引っ張った。



















数分後。


僕らは人気の少ない海辺を歩いていた。



すると、夏樹は僕の手をぎゅっと掴んだ。







通り魔の時も、そうだった。






夏樹は、不安な時、怖かった時、人に触れたがる
のかもしれない。



そうしたら、安心できるから。怖くなくなるから。









僕は、無言で夏樹の頭を撫でた。




















ただ、夏樹の不安や恐怖を和らげたかっただけ。