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第16話

しっくすてぃーん
3月14日。くもり。







ホワイトデーだ。
桜島 夏樹
[でしょでしょー?]
生徒
[うんうん!]
昼休みに廊下を歩いていたら、夏樹を見付けた。

僕は他の女子生徒と仲良く話す夏樹を初めて見たかもしれない。


そんな、楽しそうな会話を乱すわけにもいかないので、僕は夏樹たちの横を無言で通った。


...だけど、夏樹に捕まった。
西風 柚希
『何?』
桜島 夏樹
『「隙」これ、なんて読む?』
西風 柚希
『え?「すき」だよ?』
僕がそう答えると、夏樹と女子生徒は嬉しそうに笑った。
西風 柚希
生徒
西風くん、「好き」って言ったー!
西風 柚希
え?.......あ、
騙された。夏樹に。

「隙」を読ませて「好き」って言わせようと...
西風 柚希
...
僕が黙ると、夏樹は慌てた。
桜島 夏樹
『ごごごごめんね!もうしないから!怒らないで!』
西風 柚希
『あーあ、せっかくバレンタインのお返しあげようとおもったのにー。』
僕はにやりと笑う。
桜島 夏樹
『え、え、え、ほしい!ごめんなさい!許して!そしてちょーだい!』
夏樹は僕の肩を揺らした。
西風 柚希
『じゃあ、肩揺らすのやめて。』
桜島 夏樹
『はい。』
西風 柚希
『そして、目をつぶって。』
桜島 夏樹
『はい。』
夏樹は目を閉じた。


僕はその隙に、持っていた紙袋から和菓子を取り出した。



そして、夏樹の口に放り込む。
桜島 夏樹
!?
夏樹は分かりやすくきらきらした目をして、飛び跳ねた。
桜島 夏樹
『そんな甘くないのにめっちゃ美味しい!』
桜島 夏樹
『え、これ、柚希の手作り?』
西風 柚希
『あ、うん。まあね。』
僕は夏樹に紙袋を渡した。

すると、夏樹は紙袋から和菓子の箱を取り出した。
桜島 夏樹
[包装めっちゃ可愛い。]
桜島 夏樹
[てか、和菓子が雪兎の形してる時点で可愛い過ぎ。]
桜島 夏樹
[柚希の女子力やばい。]
生徒
『え、ちょ、可愛いすぎ!私にもお恵みを...』
桜島 夏樹
『え、やだ。』
生徒
『えー!ケチだなぁ。』
西風 柚希
残り物あるけど....いる?
生徒
ください。
即答ですか...

僕は、女子生徒の口に和菓子を放り込んだ。
生徒
!?
生徒
あーんってしてもらえた!!
そこかよ...
生徒
てか、めっちゃ美味いやん。何これ。






















そしてその日は、僕の周りに人が沢山来た。




そいつらは皆、


『和菓子食いてぇ。』

『あーんってしてもらいたい。』


と言ってきた。





夏樹、僕の和菓子のことを広めたな...






















まあ、いっか。