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第3話

すりぃ
5月26日。晴れ。







やっぱり、屋上は風が気持ちいい。























僕は、学校の屋上で独り、空を眺めていた。



まったく、高校の昼休みだというのになんで
こんな良い所に皆は来ないのだろう。

まぁ、来てほしくないんだけど。


と、独り言のように心の中で思った。




















高校3年にもなって、友達がいないのはおかしい
だろうか。

そもそも、友達って何なんだろう。

友達なんて、いなくたって生きて行けるのに。


ゲームと同じだ。


あったら、毎日が楽しいだけ。

なくたって生きて行ける。


ゲームは時々、イライラすることがある。


友達もそうだ。


友達のせいで傷付き、ストレスを貯めることだって
ある。


実際、なくたって生きて行けることは
友達のいない僕が証明している。



















誰もが、友達のいない僕のことを同情して
声をかける。


意味が分からない。


声をかけて、何の意味になる。

こっちが同情されて、少しイラついて終わる。


何の意味にもならないじゃないか。


むしろ、僕が迷惑だ。


同情するのは、優しさとは違う。

ただ、僕を皆と違う生き物と見て餌を与える
だけにすぎない。





















本当、ばかばかしい。



















ガチャ...



屋上の扉が開く音がする。






珍しい。

僕がいる時、誰かが屋上に来たことは
一切なかった。


















誰だろうか。























僕は、ゆっくり、屋上の扉の方を見た。


女子生徒だった。


黒髪の短髪。少し、男子感があった。


女子生徒は、制服のポケットからメモ帳とペンを
取りだし、何かを書いて、僕に見せた。
桜島 夏樹
『私は3年B組の桜島夏樹さくらじまなつき
そして、また何かを書いて僕に見せる。
桜島 夏樹
『君は?』
名前を隠す必要もないので、正直に答える。
西風 柚希
西風柚希にしかぜゆずき。3年A組。
クラスという名の、おまけも付けた。

けど、彼女は何も言わなかった。

彼女は、メモ帳に何かを書いて僕に見せる。
桜島 夏樹
『ごめん。』
何に、対してだろう。

彼女はまた、メモ帳に何かを書いて僕に見せた。
桜島 夏樹
『私の世界に、音はないんだ。』
音は、ない...?
桜島 夏樹
『さっきの答え、ここに書いて
くれないか?』
桜島さんはそうメモ帳に書いて、僕にメモ帳と
ペンを手渡した。

僕はそれを、拒否することなく受け取る。
西風 柚希
『僕は、西風柚希。3年A組。』
そう、メモ帳に書いてメモ帳とペンを返還する。

すると、桜島さんは、
桜島 夏樹
『良い名前。』
とだけメモ帳に書いて僕に見せ、笑った。























この他愛もないやり取りが、僕の1年を
変ることになる。